top 本と展示展覧会ピックアップ東京中野のスタジオ35分でシアン· デイヴィーの日本での初個展「The Garden」が開催

東京中野のスタジオ35分でシアン· デイヴィーの日本での初個展「The Garden」が開催

2024/08/21

^{シアン· デイヴィー「The Garden」©Sian Davey}

英国の写真家シアン· デイヴィーの日本での初個展「The Garden」をスタジオ35分にて開催する。本展では、コロナ禍にデイヴィーが自宅の庭で撮影した新作「The Garden」からポートレート作品9 点を展示予定です。写真集『The Garden』（Trolley Books、2024年）を日本で購入できる初めての機会となる。

シアン・デイヴィーは、1964年英国のブライトン生まれ。15年間、心理療法士として働いたのち、2014年から写真家として活動を始める。心理療法士と母親としての経験に裏付けられた作品制作は、彼女自身、そして、家族や友人、地域のコミュニティにおける精神的な風景を探求している。

「The Garden」は、2023年に国際写真賞Prix Pictet のショートリストに選出され、同年Prix Elysée にもノミネート、ロンドンのVictoria and Albert Museum とNational Portrait Gallery にパーマネント· コレクションとして作品が収蔵された。これまで参加した主な展覧会にThe Photographers’ Gallery（2024年）、Victoria and Albert Museum（2023年）、Guernsey Museum（2022年）、Hamburg Diechtorhallen（2021年）、Aperture Foundation（2018年）などがある。主なパブリックコレクションにVictoria and Albert Museum、Science Museum（ロンドン）、Centre National des Arts Plastiques（パリ）、Martin Parr Foundation（ブリストル）などがある。

イギリス西部地方デボンにあるトットネスを拠点にしているデイヴィーの自宅には、荒れ果てた裏庭がありました。2020 年に全世界に広がったパンデミックの中で、彼女は、息子のルークとともに自生する花やバイオダイナミック農法を研究し、荒廃していた庭を野生の花々で溢れ、ミツバチや鳥がやってくる庭へと再生させました。そこに人々が集うことで、デイヴィーが「愛に根ざした空間」と呼ぶ、活気に満ち溢れた親密な場所へと変貌しました。親子連れからティーンエイジャー、若いカップルやお年寄りまで様々な人々がこの庭にやってきます。狭い公道から低い塀を乗り越えて、庭のゲストとなった人々のポートレートを撮影することで、この空間には多様なコミュニティが生まれたのです。「The Garden」は、それぞれの瞬間の記録であり、この庭に根付いた人間関係の証でもあります。荒廃した庭が再生していくにつれて、喜びや相互の繋がり、憧れやセクシュアリティ、そして、抵抗を表現する場へとなりました。庭は、人間の心そのものの隠喩となったのです。誰もがこの庭に居場所があります。
シアン・デイヴィー

■マイケル· ホッペン・ギャラリー
マイケル· ホッペン・ギャラリーは、1992年にロンドンで設立された写真を専門とするギャラリー。当ギャラリーのコレクションは、19世紀の印刷物から現代作家の作品まで写真というメディアの豊かな歴史と多様性を含んでいる。この20年間、日本の写真に焦点を当て、荒木経惟、石内都、川田喜久治、森山大道など日本を代表する写真家たちと長年仕事をともにしてきた。また、近年、世界的に再評価が高まっている深瀬昌久の作品も扱っている。

本展覧会は、マイケル· ホッペン・ギャラリーとしてポップアップ· ギャラリーを東京にオープンする初めての試みになります。これまで、多くの作家や友人たちが当ギャラリーと日本の写真との関わりを支えてくださいました。シアン・デイヴィーの作品を展示することで、過去20年間、多くの実りあるコラボレーションの基盤となってきた交流の精神を促進する機会となれば幸いです。

■展覧会情報
シアン· デイヴィー「The Garden」
会期：2024年8月15日（木）～9月7日（土）　
時間： 18:00～22:30
休廊日：日曜日、月曜日、火曜日
会場：スタジオ35分
住所：東京都中野区上高田5-47-8

【関連リンク】
https://35fn.com