Photo&Culture,Tokyoでの連載「遠ざかる町」でもお馴染みのなぎら健壱さん。
小伝馬町にあるギャラリーKKAGで開催中のなぎら健壱写真展「酒場の情景」に併せ、新作写真集『Tokyo in a Moment』が刊行された。
- 瞬間を捉えた、あるいは偶然と遭遇する写真が好きなのである。その時カメラを持って居られたこと、またその瞬間にシャッターを切れたことに対して、「よし」と自分を納得させることができる。
瞬間そして偶然は作ろうとしても作りようがなく、創出すればそれはやらせになってしまう。
人は眼で見たものを記憶するが、しかしほとんどは覚えてやしない─平素の出来事は忘れ去られることが当然で、記憶する必要もない。記憶にあったとしても、それは時間とともに色褪せていき、やがて消え去っていく。
しかしその瞬時をカメラが抑えていれば、そこにそれは留まっている。瞬間は記憶のかなたにあったとしても、その時間はそこに残っている。
たしかに瞬間がそこにあるのだ。- (本書の序文より)
■プロフィール
なぎら健壱(なぎら・けんいち)
1952年東京銀座(旧・木挽町)に生まれ、以来、葛飾区、江東区など下町で育つ。フォークソングに傾倒し、1972年にファーストアルバム「万年床」を発表。これまでにアルバムを20枚リリースしている。カメラ歴は古く、写真集や写真を添えたエッセイ集等も上梓している。現在コンサート活動のほか、独特のキャラクターでテレビ、ラジオ、映画、ドラマの出演や、新聞、雑誌等の執筆でも活躍をしている。また『デジタルカメラマガジン』誌(インプレス)に〈酒場の場景〉、「Photo&Culture,Tokyo」に〈遠ざかる町〉を連載中である。2022年7月にギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)にて、写真展「偶然に出遭えること!」「酒場の情景」を開催。
なぎら健壱『Tokyo in a Moment』
発行:私家版
仕様:A4サイズ、32ページ
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