池田武史「Space X」©Takeshi Ikeda
京都のPURPLEで池田武史「Space X」が開催される。
池田はコンテンポラリーアートの領域で制作や発表を行う一方で、ハードコアパンクバンドのドラマーとしても国内外で活動を行ってきた。このように特異なキャリアの持ち主である池田の表現は、美術史における文脈を援用しつつ、そこからクリティカルに社会の状況を反映してみせる。
本展では、今年2月に開催された「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」受賞者展にて発表された、特別賞受賞作品《Space X》を再構成したインスタレーションをPURPLEの空間上で展開する。
イギリスの批評家・理論家のマーク・フィッシャーは、晩年、資本主義というプログラムこそが、既に人間社会に存在している「人工知性=AI」であると言った。彼曰くこのプログラムは、生活様式を規定し、均質化し、自己増殖以外の目的を持たない。
このビジョンは、映画『遊星からの物体X』(ジョン・カーペンター1982年)に登場する地球外生命体のようだ。映画の中で地球外生命体は、触れるもの全てに変身〜同一化し食い尽くしていく。アートの世界にあっては、冷戦下に自由主義のプロパガンダとして利用され、現在はマーケットの中で投機的に制作~販売され増殖し続ける抽象絵画も、現実の「物体X」として見ることが出来るかもしれない。
本展の出品作品は、「AI」「抽象絵画」「物体X」「不定形」「自己増殖」といった側面に着目し、資本主義をいかに表象することが出来るかを検討するものである。
池田 武史
■展覧会情報
池田武史「Space X」
会期:2024年7月19日(金)~8月18日(日)
時間:13:00〜20:00(土日祝:11:00〜19:00)
休廊日:月曜日、火曜日
会場:PURPLE
住所:京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル3階
■関連イベント
トークイベント 池田武史×髙橋耕平
作家の池田武史と京都在住のアーティストの髙橋耕平氏によるトークイベント。個展「Space X」の作品を中心にお互いの制作方法や思考について語る。
2024年7月28日(日)15:00〜
料金: 1,000円(定員30名、要予約)
https://purple-purple.com/event/2229/
パフォーマンスイベント core of bells×小林耕平
作家の池田武史が活動するハードコアパンクバンドでアートコレクティブのcore of bell(池田武史、新宮隆、山形育弘、吉田翔) と美術家の小林耕平が、来場者を巻き込んだパフォーマンス。
2024年8月18日(日)15:00〜
料金: 1,000円(定員30名、要予約)
https://purple-purple.com/event/2233/
■プロフィール
池田武史(いけだ・たけし)
1984年東京生まれ。2016年、2020年の2年間、オランダ・アムステルダムのライクスアカデミーに滞在アーティストとして参加。現在は主に東京と神奈川を活動拠点とする。
ハードコアパンク・パンクバンドのcore of bellsのメンバーとして活動する傍ら、池田武史個人でも作品を制作。実験音楽とハードコア・パンクに影響を受け、音楽、ビジュアルアーツ、パフォーマンスを駆使した表現活動を行っている。2011年の震災、原発事故下における緊張が恒常化した時間が、影響を受けた実験音楽に近似していると考え、以降「退屈」をテーマに作品を制作。同テーマは、池田とcore of bellsとの共同制作である、作品《WEEKEND》に結実した。2022年より、本展『Space X』につながる、資本主義が社会やアートにどのような形で現れるのかを検討する制作を開始。2024年1月からcore of bellsのYouTubeチャンネルで「Non-Placeでつかまえて」を毎日更新中。
【関連リンク】
https://purple-purple.com/exhibition/ikeda2024/
出展者 | 池田武史 |
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会期 | 2024年7月19日(金)~8月18日(日) |
会場名 | PURPLE |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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