東京・目黒のコミュニケーションギャラリーふげん社で、雑誌『写真』vol.5「フェイス/FACES」刊行記念展示が開催される。
2024年1月20日にふげん社より刊行する雑誌『写真』vol. 5「フェイス/FACES」は、写真史の始まりからその誕生に端を発する肖像写真について、また、人間の「顔」と写真の関係について考えてみたいと企画された。
本展では、今号の巻頭を飾るアーティスト、金川晋吾の個展を1月25日から2月11日まで、Ryu Ikaの個展を2月15日から3月3日まで、会期を分けて3階のギャラリーにて開催する。
金川晋吾は、1981年生まれ京都府出身の写真家。失踪をくり返す父を撮影した『father』(青幻舎、2016)や、長らく行方不明だった伯母を被写体とした『長い間』(ナナルイ、2023)など、血縁関係にある身近な他者を被写体に人間の「わからなさ」を問うポートレート作品を評価され、2010年に三木淳賞、2018年にさがみはら写真新人奨励賞を受賞している。
本誌掲載の新作「ハイムシナジー」では、2019年から同居する百瀬文と斎藤玲児と自身の、血縁や婚姻によって結びつけられた「家族」の定義や一対一の性愛関係から逸脱、拡張する関係を写し、人の「生」や「性」のさまざまな在り方を模索する。
Ryu Ikaは、中国内モンゴル生まれ、東京を拠点に活動する写真家。2019年に第21回写真「1_WALL」グランプリを受賞し、受賞記念個展「The Second Seeing」では、人の顔面を重要なモチーフとして扱い、現代社会における「見る/見られる」の関係を、デジタル加工や入出力を繰り返した粗い粒子のイメージで表現した。
今作「MOM LAND」は、コロナ禍によって会えない期間が続いた母を、内モンゴルと東京を舞台にさまざまなシーンで撮影したシリーズ。母親は、生涯出会う人間の中で唯一、胎内で過ごしたゼロ距離の関係から、産み落とされた瞬間に別れのプロセスが始まる存在だ。「写真は別れの道具」であると話すIkaにとって、写真に対するスタンスが最も純粋な形で現れている作品と言えるだろう。
また、今号に掲載されている鈴木理策、有元伸也、山元彩香、星 玄人の作品を、2階・Papyrusギャラリーにて展示する。最も近くにありながらも自分では見られない「顔」という迷宮のような存在と向き合いながら、自己と他者という普遍的なテーマを探究する、日本の現代写真家たちの作品が展覧できる。
初日1月25日(木)には、オープニング・レセプションを開催する。また、2月3日(土)には、金川晋吾個展会場で、金川とIka、誌面でインタビューの聞き手を務めた飯沢耕太郎(写真評論家)の3者によるギャラリートーク第一弾を開催。また、Ryu Ika展会場で、Ikaと金川、編集長の村上仁一が聞き手となり、ギャラリートーク第二弾を開催する。
■イベント
●オープニング・レセプション
1月25日(木)17:00〜20:00
参加費 3000円
『写真』vol.5 1冊+1drink付き
●ギャラリートーク第一弾
金川晋吾×Ryu Ika×飯沢耕太郎(写真評論家)
2月3日(土)14:00〜15:30
参加費 1000円(会場観覧・オンライン配信)
●ギャラリートーク第二弾
Ryu Ika×金川晋吾×村上仁一(雑誌『写真』編集長)
2月17日(土)14:00〜15:30
参加費 1000円(会場観覧・オンライン配信)
- ■展覧会情報
雑誌『写真』vol.5「フェイス/FACES」刊行記念展
金川晋吾 個展「ハイムシナジー」
Ryu Ika 個展「MOM LAND」
口絵作家展 鈴木理策/有元伸也/山元彩香/星 玄人
会期:2024年1月25日(木)~3月3日(日)
時間:火〜金12:00〜19:00、土・日12:00〜18:00
休廊日:月曜日(祝日2/23)
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
住所:153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
【関連リンク】
https://fugensha.jp/events/240125kanagawa_ryu/
出展者 | 雑誌『写真』vol.5「フェイス/FACES」刊行記念展 |
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会期 | 2024年1月25日(木)~3月3日(日) |
会場名 | コミュニケーションギャラリーふげん社 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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