top 本と展示展覧会ピックアップ渋谷区立松濤美術館で「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄が開催

渋谷区立松濤美術館で「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄が開催

2023/11/25

渋谷区立松濤美術館で「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄が開催される。
 
美術評論家の瀧口修造(1903-79)、絵画と写真で活躍した阿部展也(1913-71)、そして写真家である大辻清司(1923-2001)と牛腸茂雄(1946-83)。この4人を結びつける、日本写真史における特異な系譜を紹介する。
 
1930年代、海外のシュルレアリスムや抽象芸術の影響を受けて、日本各地に前衛写真が流行。東京では、瀧口や阿部を中心とする「前衛写真協会」が設立される。技巧を凝らした新奇なイメージが珍重された前衛写真の風潮に満足しなかった瀧口は、「日常現実のふかい襞のかげに潜んでいる美」を見つめ、いたずらに技術を弄ぶべきではないと、熱狂に冷や水を浴びせかける。しかし、太平洋戦争へと向かう時局において前衛写真が次第に弾圧の対象となっていくなか、この瀧口の指摘は一部をのぞいて十分に検討されることなく、運動は終局に向かった。
 
戦後、個々人のなかに前衛写真の精神は継承され、特需景気、経済成長からその限界へとひた走る戦後の日本社会に反応し続ける。とりわけ、写真家としての出発点において瀧口と阿部に強く影響を受けた大辻と、「桑沢デザイン研究所」における大辻の教え子だった牛腸の二人は、時代に翻弄され移り変わる「日常現実」を批判的に見つめなおし、数々の名作を生み出した。その写真には、反抗と闘争の60年代が過ぎ去った70年代、変容を遂げつつあった「前衛」の血脈が隠されている。
 

  • ■展覧会情報
    「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造、阿部展也、大辻清司、牛腸茂雄
    会期:2023年12月2日(土)~2024年2月4日(日)
    時間:10:00~18:00(金曜日のみ20:00まで)
    休廊日:月曜日(ただし、1月8日は開館)、年末年始(12月29日~1月3日)、1月9日(火)
    会場:渋谷区立松濤美術館
    住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
    入館料:
    一般800円(640円)、大学生640円(510円)、
    高校生・60歳以上400円(320円)、小中学生100円(80円)
  • ※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料
    ※土・日曜日、祝休日は小中学生無料
    ※毎週金曜日は渋谷区民無料 
    ※障がい者及び付添の方1名は無料
    ※入館料のお支払いは現金のみ


■イベント情報
・記念対談 大辻先生と牛腸さんの時代
日時:1月13日(土)14:00~16:00
登壇:潮田登久子氏(写真家)・児玉房子氏(写真家)
聞き手:木原天彦(渋谷区立松濤美術館学芸員)
定員:60名(要事前申込、応募者多数の場合は抽選)
参加料:無料(要入館料)
 
・特別講座「前衛」写真の時空間
日時:1月21日(日)14:00〜15:00
講師:木原天彦(渋谷区立松濤美術館学芸員)
定員:60名(要事前申込、応募者多数の場合は抽選)
参加料:無料(要入館料)
 

・佐藤真監督『SELF AND OTHERS』上映会
日時:12月3日(日)午前の部:10:30〜11:30/午後の部:14:00〜15:00
上映時間:53分
定員:各60名(引き続き先着順で募集を継続しております。定員に達し次第受付終了。)
参加料:無料(要入館料)
 
・「なんでもない」音楽̶電子音響音楽のひととき
日時:12月17日(日)午前の部:11:00〜12:00/午後の部:15:00〜16:00

企画・構成:佐藤亜矢子氏(作曲家・音楽家)
出演:佐藤亜矢子氏・渡辺愛氏(作曲家・音楽家)
会場:地下1階展示室
参加料:無料(要入館料)
 
・学芸員によるギャラリートーク
日時:12月8日(金)、1月20日(土)各日14:00~(約40分間)
参加料:無料(要入館料)※事前申込の必要なし

 
【関連リンク】
https://shoto-museum.jp/exhibitions/202zenei/

展覧会概要

会期 2023年12月2日(土)~2024年2月4日(日)
会場名 渋谷区立松濤美術館

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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