京都のPURPLEで清水裕貴「眠れば潮」が開催される。
本展は黴や海水で劣化させたフィルム写真「微睡み硝子」と、窓の映像作品、テキスト、黴の記憶を持つ飲み物で構成する。
硝子は人が何かを見たいという願いを叶える。窓硝子として人と外界の間に立ち、また透明という性質から様々な光学機械にも用いられている。
防潮堤の窓、東京湾の旧海岸線や琵琶湖疏水、人工島など、経済活動や災害で変化する水辺に佇む硝子を取材。建物の窓とその周辺を中判カメラで撮影し、フィルムを硝子に見立てて、黴や砂埃、海水に触れさせるなどして、窓硝子の身に降りかかるであろう外界の刺激を圧縮して加えた。
近現代の都市の縁に立ち、人間よりも長い時間風景を見続けていた硝子の記憶を、黎明期から硝子と一心同体の写真メディアで表現している。
文藝2019年秋号で発表した、硝子の一人称の短編小説「溶ける指」に加筆修正したものと、窓をとらえた映像作品を共に展示。
カウンターでは黴の記憶を持つワインなどの冷たい飲み物を提供し、展示空間で楽しむことができる。夏の不思議な休憩所。
■展示情報
清水裕貴「眠れば潮」
会期:2023年7月30日(日)~8月13日(日)
時間:13:00〜20:00(土日:11:00〜19:00)
休廊:月曜、火曜
会場:PURPLE
住所:〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
協力:PGI
■プロフィール
清水裕貴(しみず・ゆき)
写真家・小説家。2007年武蔵野美術大学映像学科卒業。土地の過去や伝説をリサーチしながら写真や物語を制作する。2011年1wallグランプリ受賞。2016年三木淳賞受賞。主な個展はNikon salon「地の巣へ」(2019)、PGI「微睡み硝子」(2022)など。千の葉芸術祭(2021)、千葉市美術館「とある美術館の夏休み」(2022)に参加。著作『ここは夜の水のほとり』(新潮社・2019)、『花盛りの椅子』(集英社・2022)、『海は地下室に眠る』(KADOKAWA・2023)。2023年秋、写真集刊行予定(赤々舎)。
【関連リンク】
https://purple-purple.com/exhibition/shimizu-2023/
出展者 | 清水裕貴 |
---|---|
会期 | 2023年7月30日(日)~8月13日(日) |
会場名 | PURPLE |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。