top 本と展示展覧会ピックアップ第46回「伊奈信男賞」、第23回「三木淳賞」が決定。受賞写真展も開催

第46回「伊奈信男賞」、第23回「三木淳賞」が決定。受賞写真展も開催

2022/03/04

原 啓義「まちのねにすむ」

 

ニコンが運営する公募制の写真展会場「ニコンサロン」の年度賞として、第46回「伊奈信男賞」、第23回「三木淳賞」を決定した。両賞は2021年1月~12月において、ニコンサロンで開催された写真展の中から選ばれた。「伊奈信男賞」はもっとも優れた作品に、「三木淳賞」は新進作家で最も優れた作品が対象となる。
 
第46回「伊奈信男賞」は原啓義写真展「まちのねにすむ」、第23回「三木淳賞」は村上賀子写真展「Known Unknown」がそれぞれ受賞した。
 
「まちのねにすむ」は東京の街で生きるねずみを捉えた作品で、「彼らはどこに栖み、どんな暮らしをしているのか。そんな疑問から、ネズミたちの姿を求めて東京の街を歩きつづけた」という。
 
そして「ネズミたちを撮影していくうちに彼らに対する印象がどんどんと変わっていった。ファインダーの中に映るネズミたちは必死で自らの生を全うしようとしている一匹の小動物だった」と、その印象が変化していった。
 
「2020年を迎え、いくつかの街からネズミたちがいなくなった。オリンピックを前に都心の浄化が進んだ結果だ。これは、誰にも惜しまれず消えていく小さないのちの輝きを捉えた写真展」と作者は書いている。
 
一方「三木淳賞」を受賞した村上賀子写真展「Known Unknown」は女性のポートレートで、撮影場所は彼女たちの住まいだが、顔がはっきりと見えないというのが共通している。
 
「『Known Unknown』(ノウンアンノウン)とは、“知らないということを知っている”という認知の状態を意味します」と作者は書いている。
 
一般的にポートレート写真は、被写体の特徴を精確に捉え、被写体の個性を深い精神性とともに表現すると考えられるが、本作品は「そういった視覚的な多様性」はないという。
 
「彼女たちが率直に自分自身を解釈しようとしたとき、それはどのように写真の中に現れ、写真はその一連の現象をどのように主導し、私たちの生に影響を与えるのかということについて考察して」いる。
 
ふたつの受賞展に注目したい。

 


原 啓義「まちのねにすむ」 


第46回「伊奈信男賞」原啓義写真展「まちのねにすむ」
会場 ニコンサロン
期間 2022年3月22日(火)~4月4日(月)
時間 10時30分~18時30分(日曜日休館/最終日は15時まで)

 


村上 賀子「Known Unknown」 

 

第23回「三木淳賞」村上賀子写真展「Known Unknown」
会場 ニコンサロン
期間 2022年4月5日(火)~4月18日(月) 
時間 10時30分~18時30分(日曜日休館/最終日は15時まで)
 
※状況により変更となる場合がございます。詳細・最新情報につきましてはウェブページをご確認ください。
 
【関連リンク】
https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/

展覧会概要

出展者 原 啓義、村上賀子
会期 2022年4月5日(火)~4月18日(月))
会場名 ニコンプラザ東京 ニコンサロン/THE GALLERY

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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