top 本と展示展覧会ピックアップ京都PURPLEで山上新平個展「liminal（eyes）」が開催

京都PURPLEで山上新平個展「liminal（eyes）」が開催

2023/07/12

京都のPURPLEで山上新平個展「liminal（eyes）」が開催される。

「liminal （eyes）」は山上の住処である鎌倉の海と波を捉えたシリーズだ。

山上の作品の変遷は、その「眼差し」と共に語られている。海と波を撮る前、山上は蝶を被写体としていた。不規則な動きで決して捉えることはできない蝶と向き合う過程で、掴もうとすることから脱却した眼差し、「触れるだけの眼」に辿り着く。

写真集『liminal （eyes） YAMAGAMI』に収録された幅允孝のテキストには、この「触れるだけの眼」に至った山上がいかに海と波に向かったかが記されている。

「一方的に海を凝視するのではなく、海に近づき、文字通り海に触れ、海に身を預けてみる。海はものを語らないかもしれないが、海に関しては自分をひらいておく。そんな姿勢が山上なりの海との間合いをつくり出す契機となったのではないか？　そして『写真において見ることは許すことなんだ』という彼の言葉と、その背後にある被写体を凝視せず、主体的にも見ない姿勢を生み出す理由にもなったと考える。」

幅允孝、写真集『liminal （eyes） YAMAGAMI』収録「新しい眼差しを探して」より

このような眼差しを持って挑んだ山上の海と波の集積をぜひ確認したい。

■展示情報
山上新平個展「liminal（eyes）」
会期：2023年7月7日（金）〜7月27日（木）
時間：13:00〜20:00（土日：11:00〜19:00）
休廊：月曜・火曜

会場：PURPLE
住所：〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
協力：株式会社 bookshop M、POETIC SCAPE

■トークイベント

「liminal （eyes）」展の2日目に、展示作家の山上新平さん、ブックディレクター幅允孝さん、造本家・グラフィックデザイナー・パブリッシャーの町口覚さんをお迎えしトークイベントを開催する。山上の作品について、写真集『liminal （eyes） YAMAGAMI』を手掛けた3名それぞれの視点から語ってもらう。
日時：2023年7月8日（土）13:00〜 ※終了しました
場所：PURPLE（30名、要予約）
料金：1,000円

■写真集
『liminal (eyes) YAMAGAMI』

定価：6,250円＋税
写真：山上新平
文章：幅允孝
編集・造本設計：町口覚
デザイン：浅田農、清水紗良（MATCH and Company., Ltd.）
判型：縦327mm ／横242mm
頁数：本文88頁
写真点数：64点
仕様：並製本、スリーブケース入り
言語：日英表記
発行・発売：bookshop M

■プロフィール
山上新平（やまがみ・しんぺい）
1984年神奈川県生まれ。イイノ・メディアプロ退社後、写真家として活動。主なグループ展に、『LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3』（YellowKorner Paris Pompidou／パリ／ 2015、IMA gallery／東京／ 2016）、『Daikanyama photo fair 2017』（代官山ヒルサイドフォーラム／東京／ 2017）、『3daysEXHIBITION』（セゾンアートギャラリー／東京／ 2017）。主な個展は、『0189』（社食堂｜SUPPOSE DESIGN OFFICE／Youngtree Press／東京／ 2017）、『山上新平展』（思文閣／東京・京都／ 2019）、『The Disintegration Loops』（POETIC SCAPE／東京／ 2019）、『Refined black』（Laboratory △Ⅱ／東京／ 2019）。2017年に『Daikanyama photo fair competition』にて奈良美智賞を受賞。2022年には、デザイナーの皆川明（ミナペルホネン）発行による写真集『Helix』を出版。