top 本と展示展覧会ピックアップ京都PURPLEで市川孝典「VINTAGE BROWN」が開催

京都PURPLEで市川孝典「VINTAGE BROWN」が開催

2023/06/17

京都PURPLEで市川孝典「VINTAGE BROWN」が開催される。
 
美術家・市川孝典は、世界各地を遍歴する間に絵画と出会い、様々な表現方法を用いて独学で作品制作をはじめた。その後、多様なアーティストたちとの交流を通して、音楽や映像などの活動で表現の幅を広げ、研鑽してきた。
 
自身が幼少時に見た風景や時計の盤面、我楽多、昆虫標本、SNSのロード中のディスプレイ、T Vのノイズなどの人々の脳裏に潜在する記憶に触れる風景を抽出し、作品をつくり続けている。
 
本展では市川の作品が広まるきっかけとなった、多様な線香を太さや温度で使い分け、紙に焦げ目をつけながら描く「線香画」のシリーズを展示する。
 
線香で焼いて、焦がして、焦げ色のグラデーションで描いていくという自身が生み出した制作手法は、「記憶」や「時間」という儚くおぼろげなテーマとも合致し、強靭さと繊細さを併せ持つ唯一無二の絵画世界を構築している。

 

古城に忍び込み泊まることを繰り返していた数ヶ月。
毎日のように見ていた懐中電灯で照らされたヨーロッパの森。
10代の不安や好奇心や葛藤を懐中電灯に照らされた森を通して描いている。
忍び込んだ手付かずの古城の中では、もう使われていないシャンデリアを、
無意識に寝そべりながら懐中電灯で照らしていた。
そして時計、祖父のコレクションの時計を何度もバラして、何度も組み直した。
動かない時計を作り出すのが好きだった。
人の抜け殻のようなvintageのジャケット。
私はそこに人の痕跡を辿って気配を感じて服を通して描かれない人を描いたんだ。
標本箱の蝶やドライフラワー。
死んで殺されて永遠の美しさを手に入れた昆虫や花。作品に焼き付けて生を感じたかったんだ。美しさに嫉妬して壊したかったんだ。
家出した子供の頃に住んでいたジャズクラブの屋根裏部屋。演奏が始まると、寝ている僕の横の壁に踊るように照らされていた管楽器の影。
 
展示されてるこれらのモチーフは全部バラバラで脈絡なんかない。
これらのモチーフのすべては、私が、そして鑑賞者の目の端でみていた何気ない日常に出会った私だけが忘れても良い事柄なんだ。
 
市川孝典

 

■展示情報
展示名:市川孝典「VINTAGE BROWN」
会期:2023年6月16日(金)〜7月2日(日)

時間:13:00〜20:00(土日祝:11:00〜19:00)
休廊:月曜日

会場:PURPLE

住所:〒604-8261 京都市中京区式阿弥町122-1 式阿弥町ビル 3階
 
【関連リンク】
https://purple-purple.com/exhibition/ichikawa-2023/?utm_source=BenchmarkEmail&utm_campaign=PURPLE_news_letter_2023_June&utm_medium=email

展覧会概要

出展者 市川孝典
会期 2023年6月16日(金)〜7月2日(日)
会場名 PURPLE

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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