写真家・小山貢弘の風景写真と、笠間悠貴のテクストによる展覧会を開催する。
小山は、2009年の個展「plant」から、多摩川を大判カメラで撮影する作品制作を続けてきた。多摩川は多くの取水場を抱える首都圏の重要な水源であると共に、その河川敷は沢山の市民に親しまれている。ランニングをする人、犬の散歩をする人、楽器の練習をする人、野球やサッカーを楽しむ人々。
一方で、そうした身近な存在でもある多摩川には、公園として管理しきることのできない、自然の力がアナーキーに発露する場としての側面もある。そのような人工と自然が拮抗する現場で撮られた小山の写真には、人知れず生命を育む木々や、既に枯れて横たわる倒木、そこに飛来する鳥たちといった、都市の裏側に潜む、自然にとっての「楽園」が写し出されている。
企画展「風景の再来」は、こうした風景写真を通じて、現代におけるストレート・フォトグラフィーの可能性を模索していく。
今回は上記の小山の写真に加え、笠間の文章によって、その考察をおこなうことでの二人展というスタイルを試みる。作品と批評が交差する、臨場感のある展覧会になりそうだ。
- ■展覧会情報
笠間悠貴企画展- 小山貢弘「風景の再来 vol.2」
会期:2023年5月14日(日)〜 6月3日(土)
時間:12:00〜20:00・会期中無休
会場:photographers’ gallery
住所:160-0022 東京都新宿区新宿2-16-11-401
【プロフィール】
小山貢弘(こやま・みつひろ)
1980年、東京都生まれ。日本大学文理学部ドイツ文学科卒業、東京綜合写真専門学校卒業、同校研究科卒業。「plant」(gallery mestalla・東京、2009年)、「Botanical Gardens」(gallery mestalla・東京、2014年)、「Winter Gardens」(gallery mestalla・東京、2018年)、「芽吹きの方法」(Alt_Medium、2021年)と、定期的に個展を開催してきた。また、2021年から2022年にかけて川崎市民ミュージアムでは、写真家池田葉子氏とのオンライン展覧会「Trail」が開かれ、その活動に近年注目が集まっている。
笠間悠貴(かさま・ゆうき)
1980年、大阪府生まれ。「風景をかじったねずみ」(ギャラリー山口・東京、2008 年)、「再生」(コバヤシ画廊・東京、2011 年)、「顫え」(コバヤシ・東京、2013年)、「顫え2」(MUSSE F・東京、2014 年)、「Air」(GALLERY mestalla・東京、2015年)、「metaphors」(photographers’ gallery・東京、2015年)、その他グループ展多数。写真家としての活動と同時に、渡辺兼人『断片的資料I—VII』や、高橋和海『愛しのユーカ』、小林のりお『Cluster of Dreams』などに寄稿し、執筆をおこなっている。
【関連リンク】
https://pg-web.net/exhibition/fukeinosairai-vol-2/
出展者 | 小山貢弘(企画:笠間悠貴) |
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会期 | 2023年5月14日(日)〜 6月3日(土) |
会場名 | photographers’gallery |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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