那覇文化芸術劇場なはーとでは、沖縄「復帰」50年特別企画として、「帝国の祭典——博覧会と〈人間の展示〉」を開催する。
19世紀中頃から20世紀初頭は「博覧会の時代」と呼べるほど世界中で多くの万国博や植民地博が開催された。博覧会は展示された産業製品を通じて新たな世界認識を得る場として機能し、大衆に明るい未来を幻視させましたが、博覧会場には、植民地や非西洋諸国の集落を再現してその生活の様子を見せる〈人間の展示〉も行われていた。
19世紀末に帝国主義国として船出した日本でも西洋の博覧会に倣い、1903年の第五回内国勧業博覧会で「学術人類館」という〈人間の展示〉施設が民間の業者によって作られ、その後の展覧会でも同様の展示を行う。これらは日本が東アジアに版図を広げていく時代の〈日本人〉の境界に関わる展示と言えるものだった。
本展ではキュレーターの小原真史のプライベートコレクションを中心に博覧会と〈人間の展示〉に関わる数百点の資料を展示し、グローバリズムやレイシズム、コロニアリズムなど現代と地続きのさまざまな問題について探る。
また、同名の書籍が10月上旬に水声社から刊行される。
■開催概要
「帝国の祭典――博覧会と〈人間の展示〉」
開催日程:2022年9月23日(金)~2022年11月6日(日)
会場:那覇文化芸術劇場なはーと
時間:11時~19時
会場:小スタジオ、ロビー(入場無料)
休館日:毎月第1・3月曜日
【キュレーション:小原真史(こはら・まさし)】
1978年愛知県生まれ。キュレーター、映像作家、東京工芸大学准教授。早稲田大学卒業後、多摩美術大学大学院修士課程修了。単・共著に『富士幻景—近代日本と富士の病』『時の宙づりー生・写真・死』『戦争と平和—〈報道写真〉が伝えなかった日本』『森の探偵—無人カメラがとらえた日本の自然』などがある。監督作にドキュメンタリー映画『カメラになった男—写真家中平卓馬』。IZU PHOTO MUSEUM研究員として荒木経惟展、宮崎学展、小島一郎展、増山たづ子展、「戦争と平和」展、澤田教一展などを担当後、フリー。その他の展覧会として「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」展など。重森弘淹写真評論賞、「写真の会」賞、日本写真家協会賞「学芸賞」を受賞。写真賞の審査員や展覧会のゲスト・キュレーターなども務める。
【関連リンク】
https://www.nahart.jp/stage/imperialfestival/
出展者 | キュレーター:小原真史 |
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会期 | 2022年9月23日(金)~2022年11月6日(日) |
会場名 | 那覇文化芸術劇場なはーと |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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