10月29日より入江泰吉記念奈良市写真美術館で中藤毅彦「エンター・ザ・ミラー」展が開催されている。
中藤はこれまでモノクロームによる都市のスナップを撮り続けた。これまで撮影した街はニューヨーク、ハバナ、上海、ロシア、パリ、東欧(ベルリン、プラハ、ブタペスト、ワルシャワ等)、香港、東京と多岐に渡る。四半世紀近くに及ぶ街で切り取られたハイコントラストで力強いトーンの作品群は、見る者に強烈なエネルギーを与えるだろう。
「(略)これまで20数年の期間、世界の幾多の都市を彷徨し、街と人々が織りなす光景を撮り歩いて来た。と言っても、僕は事件や社会問題のドキュメンタリーを追う報道カメラマンという訳ではない。直感に身を任せて街に飛び込み、あくまでもパーソナルな視点でスナップしているに過ぎない。しかし、そうしたスナップ写真には、時として意味や説明を越えた得体の知れない力を感じる事がある。それは、リアルな現実を映し出しながらも、現実そのままではない「鏡の向こう側」の領域に踏み込んだ様な奇妙な感覚なのだ。
(略)
自分に出来る事は、今までも、またこれからも街路に身を置き、ひたすら歩き、出くわした人々や予期せぬ光景に対して、身体の反応するままのスナップを実践する事だけだ。展示空間の中で、これらの都市に流れる20数年の歳月の光が響き合い、鏡の向こうのもうひとつの世界がリアルに立ち上がって来るならば、作者としては望外の喜びである。」(中藤毅彦)
写真家プロフィール
中藤毅彦(なかふじ・たけひこ)
1970 年東京生まれ。早稲田大学第一文学部中退。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。東京四谷三丁目にてギャラリー・ニエプスを運営。国内外にて個展、グループ展多数開催。最近の写真集に『STREET RAMBLER』(2014年)『White Noise』(2018年)『香港2019』(2020年)等。
中藤毅彦「エンター・ザ・ミラー」展
会期 2021年10月29日(金)ー2021年12月26日(日)
会場 入江泰吉記念奈良市写真美術館
ギャラリートーク
10月30日(土) 午後2時~
中藤毅彦(写真家)×百々俊二(写真家・館長)
※申込不要、要観覧券。
※コロナ禍の状況によって予告なく展覧会やイベントを中止または変更する場合がございます。
※本展は新型コロナウイルス感染予防対策を実施したうえで開催します。都合により、会期・開館時間などが変更になる場合があります。最新情報は当館ホームページなどでご確認ください。
※ギャラリートークはすでに終了しております。
【関連リンク】
http://irietaikichi.jp/news/exhibition/629
出展者 | 中藤毅彦 |
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会期 | 2021年10月29日(金)〜2021年12月26日(日) |
会場名 | 入江泰吉記念奈良市写真美術館 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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