top 本と展示展覧会ピックアップアートギャラリーKKAG（Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery）で木村直人写真展「GERMANY」が開催

アートギャラリーKKAG（Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery）で木村直人写真展「GERMANY」が開催

2021/12/08

東京・馬喰町のアートギャラリーKKAG（Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery）で、2021年12月1日（水）から12月18日（土）まで、木村直人写真展「GERMANY」を開催する。

広告・雑誌やアーティスト写真、最近では刀剣撮影でも活躍している作家の木村直人が、まだ写真家として駆け出しの頃、ベルリンの壁が崩壊した直後の1990年に旧東ドイツで撮影したモノクロ作品約20点を展示する。また、本展に合わせて制作された写真集も販売する。

パンデミックで海外に気軽に行けない中、古いロードムービーでも観るように

記憶の旅を辿るうち、30年あまり前の旅のフィルムに行き着いた。

それは、僕の写真家としての原点ともいえる旅だった。

ベルリンの壁が崩壊して間もなく、まだ駆け出しの写真家だった僕は

旧東ドイツから西ドイツに抜ける旅に出た。

目的は、壊れたばかりの壁でも東西に開かれたばかりのブランデンブルク門でもなく、

おそらく“いま”しか体験できないであろう旧東ドイツで写真を撮ることだった。

1990年2月、僕はまずチューリッヒに飛び、レンタカーで一路旧東ドイツを目指した。

カーナビもスマホもグーグルマップもなかった当時、現地で入手したロードマップと

ガイドブックのわずかな情報だけを頼りに、あちこち彷徨(さまよ)いながら、

エアフルト、ドレスデン、ライプツィヒ……と旅を続けた。─木村直人