パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社(以下、パナソニック)は、人の眼では把握が困難な光の波長情報を捉え、被写体の詳細な色情報から素材や情報を判別できるハイパースペクトルカメラ「AG-HSV10M」を2026年1月下旬に発売する。
近年、産業分野では作業の効率化、省人化、省エネルギー化を実現するため、「マシンビジョン」の導入が進んでいる。マシンビジョンとは、カメラなどで取得した画像情報をコンピュータが解析し、自動で検査や計測、判別を行う技術のこと。ハイパースペクトルカメラは、人間の眼では捉えることができない細かな色の違い(スペクトル情報)を識別できるため、より高度な分析が可能となり、マシンビジョンの活用領域を拡大することが期待されている。一方、従来のハイパースペクトルカメラは、プリズムやフィルタなど特定波長の光を通す光学素子を採用しているタイプが一般的で、波長の数に反比例して感度が低下し、工場やオフィスのような低照度な室内環境でのスペクトル情報の識別に課題があった。また、感度や解像度の課題に加えて、撮影時間の短縮、ユーザビリティの向上、導入コストの抑制など、さまざまな現場ニーズに応えられる製品が求められている。
本製品は、独自の圧縮センシング技術と画像処理技術により、ハイパースペクトルカメラとしては世界最高クラスの高感度を実現した。これにより、室内照明下でも、最大4Kの解像度撮影が可能。また、エリア方式の採用により、短時間での撮影に対応。さらに、パナソニックのデジタルカメラ「LUMIX」シリーズのテクノロジーを融合し、マイクロフォーサーズマウントを備えたボックスタイプの本体に、オートフォーカスやオート露光といった機能を搭載。レンズはLUMIXのH-H025およびH-HS043に対応し、通常のデジタルカメラのような操作性を実現している。
■特長
1. 世界最高クラスの高感度・高精細な撮影が可能
世界最高クラスの高感度を実現。高輝度照明がなくても撮影が可能。画素の畳み込み処理がないため、画素レベルの空間解像度が高く、最大4Kの高解像度で撮影できる。


2. 短時間での撮影が可能
エリア方式なので、ワンショットで広範囲な撮影が可能。撮影と復元処理を分離して行うため、撮影に要する時間を短くできる。
3. 対象物を捉えやすい
オートフォーカス・オート露光に対応しているので、対象物が動かせない場合もカメラが自動で被写体にピントと露出を合わせる。
■システム構成
本製品は、USB Type-CでGPUを搭載したPCに接続し、専用の復元ソフトウェアでスペクトルデータを復元・分析する。また、対象物を動かせない場合や、広範囲の撮影が必要な場合でも、カメラを持ち運んで撮影し、RAWデータを取得することで、後から復元・分析を行うことが可能だ。


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