KOI NIPPON/KOI は、「SEEEU ヨーロッパ写真月間 2025」展示作家とフォト・エッセイ・アワードのファイナリストを合わせた全14組の参加アーティストを決定した。 展示作家は、今回発表する11組に加え、フォト・エッセイ・アワードのファイナリスト3組の中から選ばれる最優秀賞1組を含む計12組となる。最優秀賞受賞者は開幕日に発表される。また、フォト・エッセイ・アワードのファイナリストの作品は、「SEEEU ZINE」に掲載される。その他、会場情報や公式アンバサダー、イベント情報も併せて発表する。
「SEEEU(シー・イー・ユー)ヨーロッパ写真月間 2025」は、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】および欧州連合(EU)の支援を受け 、2025年10月23日(木)から11月23日(日)まで開催する。会場は東京都内の屋内・屋外会場(港区、渋谷区、世田谷区、目黒区、新宿区など)となる。
■「SEEEU(シー・イー・ユー)ヨーロッパ写真月間 2025」とは
本写真祭は、2025年秋に東京で開催する、日本初ヨーロッパの写真祭。年に一度、約1ヶ月にわたり、ヨーロッパの今を捉える写真家による作品が、東京の屋内・屋外会場で展示される。また、毎年テーマを設け、写真を通してヨーロッパで今起きている出来事を見つめ、私たちが現在直面している課題に向き合う機会を創出する。 ヨーロッパのアートを発信するプラットフォームであると同時に、ヨーロッパと日本の間に新たな交流を生み出し、国や文化、言語の枠を越えて、共に世界と向き合う対話の場を築いていく。
■今年のテーマは「Reframing Realities:現実の新たな輪郭」
「Reframing Realities:現実の新たな輪郭」は、現代のヨーロッパをかたちづくり、そして再解釈しようとする、多様な視点を捉え直す試みだ。テーマの背景には、活気あるコミュニティやメディアに囲まれた日常、変化するアイデンティティ。写真家たちは「記録」と「創造」のあいだを行き来しながら、武力衝突や移民、気候危機に揺れるヨーロッパの現実を捉える。私たちに「現実の輪郭はどこにあるのか」「誰がそれを描き直すのか」を問いかける。
■東京都内の建設現場の仮囲いやカフェ、ギャラリーなどで展示
建設現場の仮囲いやカフェ、ギャラリーなど、東京都内の屋内・屋外会場で250点以上の作品を展示。都市の日常空間を舞台に、アートと人々が出会う新しい体験を創出する。
Laure Winants
ロール・ウィナンツ作品名:《Phenomena》/《Time Capsule》
会場: 赤坂二·六丁目地区開発計画 工事仮囲い(港区)
《Time Capsule》2023
Varvara Uhlik
ヴァルヴァラ・ウリク
作品名:《Sunshine, How Are You?》
会場: 田町センタービル屋外部(港区)
《Sunshine, How Are You?》2023-2024
Taiyo Onorato & Nico Krebs
タイヨ・オノラト&ニコ・クレブス
作品名: 《Water Column》
会場: 都営バス「EX シアター六本木」バス停前(渋谷方面)
工事仮囲い(港区)
《Water Column, S1》2022
Christina Werner
クリスティーナ・ヴェルナー
作品:《The Horses Are Coming》
会場: さくらインターナショナルスクール初等部(港区)
《The Horses are Coming》 2024
Claudia Fuggetti
クラウディア・フジェッティ
作品名: 《Metamorphosis》
会場: 田町センタービル ピアタ地下1階~2階(港区)
《Metamorphosis》2024
Francisco Gonzalez Camacho
フランシスコ・ゴンサレス・カマチョ
作品名:《Reverting》
会場: 国連大学(渋谷区)
《Reverting, Vik》 2024
Maria Mavropoulou
マリア・マヴロポール
作品名:《Imagined Images》
会場: 神二ストリートギャラリー(渋谷区)
《Imagined Images》2023
Tamara Janes
タマラ・ヤネス
作品名: 《Copyright Swap》
会場: HVEN(目黒区)
《Copyright Swap #2》2023
NYPL Picture Collection Folder HAIR
Original by Joel Meyerowitz
Anna Tihanyi
アンナ・ティハニ
作品名: 《Budapest A-Z》
会場: G2 (Ginzan Coffee 2)(世田谷区)
《Budapest A -Z, Bubble》2022
Igor Schiller
イーゴル・シラー
作品名:《Familiar Characters》
会場: WPÜ Shinjuku(新宿区)
《Familiar Characters, Bunnies》2020-2023
港区:赤坂二·六丁目地区開発計画 工事仮囲い / さくらインターナショナルスクール初等部 / 田町センタービル屋外部・ピアタ地下1 階~2 階 / 都営バス「EX シアター六本木」バス停前(渋谷方面)
工事仮囲い / ヨーロッパハウス
渋谷区: 国連大学 / 神二ストリートギャラリー
世田谷区:G2(Ginzan Coffee 2)
目黒区:HVEN
新宿区:WPÜ Shinjuku
など
■「SEEEU(シー・イー・ユー)ヨーロッパ写真月間 2025」展示参加アーティスト一覧(*は今回新たに発表)
フェスティバル・キュレーター 太田睦子氏(IMA)とキム・ボスケ氏(FUTURES)による選定のもと、これまで発表した9組に加え、今回新たに2組のアーティストを発表した。
▼アーティスト名 [出身/拠点] 2025年10月10日現在
*Laure Winants / ロール・ウィナンツ[ベルギー / ベルギー]
*Maria Mavropoulou /マリア・マヴロポール[ギリシャ / ギリシャ]
Taiyo Onorato & Nico Krebs / タイヨ・オノラト&ニコ・クレブス[スイス / スイス]
Claudia Fuggetti / クラウディア・フジェッティ[イタリア / イタリア]
Francisco Gonzalez Camacho / フランシスコ・ゴンサレス・カマチョ[スペイン / フィンランド]
Tamara Janes / タマラ・ヤネス[スイス / スイス]
Tadao Cern / タダオ・チェルン[リトアニア / リトアニア]
Igor Schiller / イーゴル・シラー[セルビア / オランダ]
Christina Werner / クリスティーナ・ヴェルナー[スイス / オーストリア]
Varvara Uhlik / ヴァルヴァラ・ウリク[ウクライナ / イギリス]
Anna Tihanyi / アンナ・ティハニ[ハンガリー / ハンガリー]
Laure Winants ロール・ウィナンツ
ベルギー出身。ロール・ウィナンツは、リサーチとフィールドワークを通じて、作品を制作するヴィジュアル・アーティストである。アート、自然科学、そしてテクノロジーをつなぐ表現を展開している。実験的な手法と科学者との協働を通して、環境データを視覚化し、それを身近に感じられる形で表現する。それと同時にウィナンツ氏の作品は、生態系のつながりや、人間の時間感覚を超えたスケールを浮かび上がらせる。
SEEEU2025では、《Phenomena》と《Time Capsule》を発表。《Phenomena》は、アイスランドで氷河学者や火山学者とともにフィールドワークを行い、ファグラダルスフィヤット火山の噴火と、ヴァトナヨークトル国立公園の移り変わる氷河を背景に制作された。《Time Capsule》は、北極圏スバールバル諸島での4か月間の探査中に制作された。これら二つのシリーズは、目に見えないプロセスを可視化し、人間の知覚の限界に迫るとともに、地球のリズムが私たちの生のスケールを超えた時間軸で展開していることを鑑賞者に語りかける。
Maria Mavropoulou マリア・マヴロポール
ギリシャ出身。マリア・マヴロポールは、写真、VR、AI生成画像を用いて制作するヴィジュアル・アーティストである。ポスト・ソーシャルメディア時代におけるデジタルアイデンティティや表象、アルゴリズムの偏り、ネットワーク文化、機械と人間の力関係などを探求する。SEEEU2025では、《Imagined Images》を発表。AI技術を用いて生成された家族写真のアルバムを通して、紛失した記憶や家族の歴史、ありえたかもしれない瞬間を視覚化し、「自分自身の過去を書き換える」といった問いを投げかける。マヴロポール氏は今日の写真表現における真正性とは何かを問いかける。それは、AIによるイメージを単に「偽物」として断定することに問いを投げかけ、むしろテクノロジーが感情的な空白を埋め、記憶を再構築し、アイデンティティを形づくり直す力を示す。
■フォト・エッセイ・アワード開催
本写真祭では、フォト・シリーズの展示に加え、「フォト・エッセイ・アワード」を開催する。審査員は、パトリック・ツァイ氏、太田睦子氏(IMA)、キム・ボスケ氏(FUTURES)の3名。公募作品の審査の結果、3名のファイナリストが選出された。それぞれのフォト・エッセイは「SEEEU ZINE」に掲載され、最優秀賞は10月23日の開幕日に発表、会期中ヨーロッパハウスにて展示される。
■フォト・エッセイ・アワード ファイナリスト一覧
アーティスト名 [出身/拠点] 2025年10月10日現在
Maximiliano Tineo / マクシミリアーノ・ティネオ[イタリア / アルゼンチン / フランス]
Marylise Vigneau / マリリーズ・ヴィニョー [フランス / オーストリア]
Sasha Velichko / サーシャ・ヴェリチコ [ベラルーシ / ポーランド]
Patrick Tsai パトリック・ツァイ
アメリカ出身、現在東京を拠点に活動する写真家。彼の作品は、Foam Magazine、キャノン写真新世紀、パレ・ド・トーキョーなどで紹介。代表作のフォトダイアリー・シリーズ《My Little Dead Dick》《Talking Barnacles》で知られる。
Maximiliano Tineo マクシミリアーノ・ティネオ
アルゼンチン出身、現在はパリを拠点に活動。SEEEU 2025では、自伝的プロジェクト《hearth》を発表。写真、アーカイブ資料、個人の記録、映像、音などを組み合わせ、「帰属への希求」を表現。単なる物理的な「家」の探索を超え、どこかに属したいという切望そのものについての思索である本作は、郷愁や記憶、疎外などと言った感情の繊細な輪郭を辿る。
Marylise Vigneau マリリーズ・ヴィニョー
フランス出身、オーストリアを拠点に活動するドキュメンタリー写真家・著述家。
SEEEU 2025では、《FRONTLINES OF DIGNITY, SHREDDED SKIES AND OTHER LOVE STORIES》を発表。本作は、戦禍にあるウクライナで暮らす人々の生活の変容に密着し、悲嘆、喪失、また戦争によって再構築される記憶やアイデンティティを見つめる。戦禍の混乱の中で、個人の物語を証言として残し、暴力にも屈しない、正義、真実、愛、そして平和への希求に光をあてる。
Sasha Velichko サーシャ・ヴェリチコ
ベラルーシ出身、2020年ベラルーシで政治的迫害を受け亡命、現在はポーランドを拠点に活動。SEEEU2025では、《State of Denial》を発表。フェイクニュースやディープフェイク、プロパガンダによってつくられたデジタルの現実の中で、人々がどのように生きているのかを描いたプロジェクト。ベラルーシで実際に起きた拘束のエピソードを再現した写真と、それと同日に報じられた無関係なニュースの見出しの二部で構成される。この対比によって、プロパガンダが生み出す映像や情報の“ノイズ”が、どのように人々の注意を危機からそらすか浮き彫りにする。
■水野誠一氏や太刀川英輔氏、avi/耳で聴く美術館など、公式アンバサダーが続々と就任
今回、日本・ヨーロッパで芸術文化の第一線で活躍する著名人が、本写真祭の公式アンバサダーに就任した。
水野誠一
株式会社IMA代表取締役。西武百貨店社長、慶応義塾大学総合政策学部特別招聘教授、参議院議員を経て、Francfranc、オリコンなどの社外取締役、森ビル特別顧問を歴任。長年、日本リトアニア友好協会会長としての活動を通じ海外との文化的交流にも寄与している。
avi/耳で聴く美術館
アート動画クリエイター。「心が震えるアートの話をしよう」をテーマに、動画プラットフォームを起点に、アートの魅力を紹介。現在抱えるフォロワー数は50万人を超える。(2025年7月現在)
太刀川英輔
NOSIGNER代表。デザインストラテジスト。慶應義塾大学特別招聘准教授。World Design Organization理事。2021年から2025年まで日本インダストリアルデザイン協会理事長に就く。
イエン・ライナム
デザイナー/ライター。2005年より東京をベースとして様々な活動を行うデザインスタジオ「イエン・ライナム・デザイン」主宰。グラフィックデザイン、デザインリサーチ、デザイン教育を軸にして、未来を考えたものづくりをしている。
青木竜太
アーティスト/アーティスティック・ディレクター。ヴォロシティ株式会社 代表取締役社長。芸術と科学技術の中間領域で、東京を拠点に活動する日本人アーティスト兼インディペンデント・キュレーター。主な作品展示に、「MUTEK.jp 2019」、「北九州未来創造芸術祭」、「2121年 Futures In-Sight」、「千の葉の芸術祭」、「DESIGNART 2024」などがある。
守屋慎一郎
2016年にスパイラル/株式会社ワコールアートセンターチーフプランナーへ就任。2021年1月に合同会社企画室を設立し、2022年1月にはアートルーム企画室を開設。2025年4月より2027年国際園芸博覧会協会の催事ディレクター。
アートテラー・とに~
芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」に転向。現在は、美術館での講演やアートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など幅広く活動している。
マリーゴールド・ワーナー
東京とロンドンを拠点に活動するバイリンガルのジャーナリスト/コピーライター。写真、アート、音楽、カルチャーをテーマに執筆を行う。これまでに寄稿した媒体には、The Guardian、The Telegraph、The Japan Times、Dazed、Another、British Journal of Photography、Artsy、The Art Newspaper などがある。
- ■会期中のイベントには、ヨーロッパ最大級写真プラットフォーム「FUTURES」や日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART」代表が登壇!また国際写真祭「T3 Photo Festival Tokyo」とコラボするなど多様なイベントを開催
パネルトーク「Cityscape as Art Space -アート空間としての都市」
日時:2025年10月24日(金)20:00~21:30
会場:WPU Shinjuku
登壇者:青木昭夫(DESIGNART 代表)、太刀川英輔(NOSIGNER 代表)、メンノ・リャウ
(FUTURES 創設者)、ロレンツォ・メンギ(神二ストリートギャラリー運営)など太刀川英輔氏がモデレーターとして、文化プロデューサーと共に、東京の都市空間をアートと出会う場として活用する可能性を議論する。
パネル・トーク「T3 x SEEEU ‒ New Perspectives」
日時:2025年10月28日(火)19:30~21:00
会場:会場未定
登壇者:太田睦子(本展キュレーター)、メンノ・リャウ(FUTURES 創設者)、千賀健史(T3 New Talent)、南川恵利(T3 New Talent)、タイヨ・オノラト(本展参加作家)、イーゴル・シラー(本展参加作家)
日本とヨーロッパのアーティスト、キュレーターが集い、写真背景にある文化的、政治的、歴史的トピック、ほか各国が注視していることを、共有・ディスカッションする。本イベントは、T3 Photo Festival Tokyo との共同企画。
ウクライナのためのアートオークション
日時:2025年10月29日(水)19:00~20:30
会場:ベルギー大使館
登壇者:キム・ボスケ(本展キュレーター)、セルゲイ・グリゴリエフ(本展プロデューサー)、ロール・ウィナンツ(本展参加作家)などヨーロッパの写真家による作品のオークションをし、在日ウクライナ避難民を支援する。
小学生向けアートWS「Cut Paste! あたらしい動物の見え方」
日時:2025年10月25日(土)11:00~14:00
会場:さくらインターナショナルスクール初等部
登壇者:クリスティーナ・ヴェルナー(本展参加アーティスト)
本展アーティストのクリスティーナ・ヴェルナーが、港区在住・在学の小学生を対象にワークショップを実施。
ラウンドテーブル「Thriving in Japan as a Foreign Artist - 外国人アーティストが日本でサバイブするには?」
日時:2025年10月25日(土)16:00~17:30
会場:G2 (Ginzan Coffee 2)
登壇者:キム・ボスケ(本展キュレーター)、イエン・ライナム(Ian Lynam Desig 主宰者、デザイナー)
外国人アーティストが、日本で創造的なキャリアを築くためのヒントや経験を共有する。
SEEEU Social Night
日時:2025年10月29日(水)21:30
会場:HVEN
ヨーロッパから来日した関係者が帰国前に最後に集う夜。東京での最後のひと時を楽しむ。
■開催概要
会期:202 年10月23日(木)から11月23日(日)
会場:東京都内の屋内・屋外会場(港区、渋谷区、世田谷区、目黒区、新宿区など)
入場料:無料
主催:KOI NIPPON / KOI [Kultūrinės ir organizacinės idėjos]
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】 / 欧州連合
公式ウェブサイト:https://www.seeeu.jp/ja
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