株式会社リクルートホールディングスが運営するBUGでは、第4回BUG Art Awardの応募受付を2026年1月21日(水)10時より開始する。
BUG Art Awardは制作活動年数10年以下のアーティストに向けたアワードだ。審査員からのフィードバックの提供をはじめ、展示・設営に関する相談会の開催など多数の機会を設け、新しい表現に挑戦したい、アーティストとしてキャリアを築きたい、という想いを応援する。
前回(第3回)は37都道府県から418件の応募があった。居住地に限らず機会をひらくことを重視し、1都3県以外に在住の方には審査に伴う交通費を支給している。
また、BUG Art Awardでは審査観点の固定化を避けるため、審査員の任期は3回を上限としている。そのため第4回からは、新たに美術批評家の沢山遼氏と東京オペラシティアートギャラリーシニアキュレーターの能勢陽子氏を審査員に迎える。第3回から審査員を務める美術家の百瀬文氏とやんツー氏、第1回・第2回で審査員を務めた内海潤也氏(石橋財団アーティゾン美術館 学芸員)を含む5名で審査を行う。
■応募受付期間
2026年1月21日(水)10:00〜2月18日(水)17:00
■第4回からの審査員ご紹介
沢山遼(美術批評家)
▼プロフィール
1982年生まれ。美術批評。武蔵野美術大学美学美術史研究室准教授。著書に『絵画の力学』 (書肆侃侃房、2020年)。共著に、国立新美術館編『今、絵画について考える』(水声社、2023年)などがある。
▼審査員コメント
作品の真価はいつも、明示的には現れない。それは潜在的な徴としてはじめ現れ、いずれ起こる世界の変動とともに次第にその威力を示しはじめる。同じように、BUGは予徴として、多くの人間に気づかれないまま現れ、既存の制度、人を拘束する規範、価値体系や権威がすでに失効していることを告げる。BUGは欠陥ではなく、むしろBUGによって既存の社会、システムの欠陥が指摘されるのである。BUGとは、それまで不可視化されていた世界の亀裂を押し拡げ、未知の世界、新たな認識を開く「知らせ」である。果たしてBUGを、私たち審査員は見出すことができるだろうか? できないかもしれない。おそろしいことだ!
能勢陽子(東京オペラシティアートギャラリー シニアキュレーター)
▼プロフィール
1997年から2024年まで豊田市美術館学芸員。2025年から東京オペラシティアートギャラリーシニアキュレーター。これまで企画した展覧会に、「テーマ展 中原浩大」(2001年/豊田市美術館)、「曽根裕|ダブルリバー島への旅」(2002年/豊田市美術館)、「ガーデンズ」(2006年/豊田市美術館)、「Blooming:日本–ブラジル きみのいるところ」(2008年/豊田市美術館)、「Twist and Shout Contemporary Art from Japan」(2009年/バンコク・アート&カルチャーセンター/国際交流基金主催・共同企画)、「石上純也–建築の新しい大きさ」展(2010年/豊田市美術館)、「反重力」展(2013年/豊田市美術館)、「杉戸洋−こっぱとあまつぶ」展(2016年/豊田市美術館)、「ビルディング・ロマンス」(2018年/豊田市美術館)、「あいちトリエンナーレ2019」(2019年/あいちトリエンナーレ実行委員会:名古屋市、豊田市)、「ホー・ツーニェン:百鬼夜行」(2021−2022年/豊田市美術館)、「ねこのほそ道」(2023年/豊田市美術館)、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(2024年/豊田市美術館)。美術手帖、WEBマガジンartscape等に、執筆多数。
▼審査員コメント
審査員が一方的に審査するのではない、新しい形のアワードです。その過程では、応募者と審査員の双方向のやり取りやフィードバックが取り込まれます。また受賞者は、審査員の最大公約数的な判断で選ばれるのではなく、応募者それぞれの個性や審査員の持ち味も掬い取られる、稀有な機会になりそうです。審査は、単に「選ぶ」側と「選ばれる」側に分かれるのではなく、互いに感応が引き起こされる、ある意味で「出会い」の場でもあります。これまでにない賞と展覧会のありかたを模索する本アワードで、新鮮だったり、思いがけなかったり、圧倒されたりする、多様な作品に出会うことを楽しみにしています。
■審査員
五十音順・敬称略
内海潤也 | 石橋財団アーティゾン美術館学芸員
沢山遼 | 美術批評家
能勢陽子| 東京オペラシティアートギャラリーシニアキュレーター
百瀬文 | 美術家
やんツー | 美術家
■応募概要
▼BUG Art Award 審査の流れ
詳細はBUGのウェブサイトより応募要項を確認。
https://bug.art/award/
▼出品料:無料
▼選出後の機会:
[ファイナリスト]
•ファイナリスト展への参加
•作品制作費20万円の支給
※20万円を上回る制作費は、応募者自身の負担となる。ただし、制作費を使い切った上で発生する輸送費はBUGで負担する。
※東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県以外に在住の方には、日本国内移動分の往復交通費(公共交通機関の普通運賃)を別途支払う。(会場での各種打ち合わせ、ファイナリスト展設営、公開最終審査、ファイナリスト展撤去および事務局が要請したイベント登壇時。)
•広報(プレスリリース配信/広告出稿/チラシ・ポスターなどの告知物作成、大学や美術関係者などへの配布等)
•展示や設営に関する相談会の実施
•カメラマンによる展示風景撮影(スチル、動画)
[グランプリ受賞者]
•グランプリ個展の開催
•個展開催費(作品制作費+設営撤去費)300万円の支給
※東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県以外に在住の方には、日本国内移動分の往復交通費(公共交通機関の普通運賃)を支払う。
•アーティストフィーの支払い
•広報(プレスリリース配信/広告出稿/チラシ・ポスターなどの告知物作成、大学や美術関係者などへの配布等)
•関連イベントの開催
•展示担当スタッフによる個展開催サポート(テーマ設定、展示プランの立案、展示図面の作成、その他アドバイス等)
•インストーラー(展示設営技術者)や展示担当スタッフによる個展の設営および撤去の協力
•カメラマンによる展示風景撮影(スチル、動画)
•展覧会レビュー提供
- ■アワード概要
<タイトル>第4回 BUG Art Award
<応募受付>
2026年1月21日(水)10:00〜2月18日(水)17:00
<応募要項>
https://bug.art/award/
<主催> BUG(株式会社リクルートホールディングス)
BUG
〒100-6601 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F
Gran Tokyo SOUTH TOWER 1F, 1-9-2, Marunouchi, Chiyoda-ku, Tokyo
▼交通アクセス
JR東京駅八重洲南口直結
東京メトロ京橋駅8番出口から徒歩5分
東京メトロ銀座一丁目駅1番出口から徒歩7分
【関連リンク】
https://bug.art/award/
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