石川直樹『最後の山』が新潮社より刊行された。
『波』2025年9月号より抜粋
- 『最後の山』という本を書き上げてヒマラヤへの長い旅に区切りをつけたところだが、無論そこからはじまる新たな旅がある。また一つ一つ小さな体験を積み重ね、生きている日々の最後の最後まで、すなわち死ぬまでいくつもの旅を繰り返していくだろう。そう考えると、ぼくはこの世界に生まれたその日から、ずっと自由だったのかもしれない。
23歳でエベレストを登頂して以来20年余。世界で最も高く危険な山々への挑戦はついに「最後の山」シシャパンマへ。人間を拒む「デスゾーン」でぼくが見たのは、偉大で過酷な自然の力と、我々はなぜ山に登るのかという問いへの答えだった──中判カメラを携え、人類の限界を超えようとする仲間たちと共に登った生の軌跡。
■プロフィール
石川直樹(いしかわ・なおき)
1977年、東京生れ。写真家。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら作品を発表し続けている。2008年『NEW DIMENSION』、『POLAR』で日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞写真賞を受賞、2011年『CORONA』で土門拳賞、2020年『EVEREST』、『まれびと』で日本写真協会賞作家賞を受賞。他に『最後の冒険家』(2008年、開高健ノンフィクション賞受賞)、『地上に星座をつくる』など著書多数。
- 石川直樹『最後の山』
- 発行日:2025年9月19日
- 発行:新潮社
- 判型:四六判変型
ページ数:272ページ
定価:2,420円(税込)
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