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写真作品を“着る”ことで作品に新たな命を──写真家たちによるアパレル販売サービス「KeepPhotographing.jp」スタート

2025/07/15

オンデマンド製造プラットフォーム「Printio(プリンティオ)」を展開する「株式会社OpenFactory」は、現在提供中の〈PrintioAPI〉を利用した〈makeshop byGMO〉との連携が可能なオンデマンドプリントアプリを開発中。
 
アプリの一般公開に先立って、「株式会社Sakura Sling project」が先行ユーザーとしてプロジェクト〈KeepPhotographing.jp〉を2025年7月1日に立ち上げた。〈Printio〉では、アプリを通じた発注・製造を担当し、〈makeshop byGMO〉のECカートを利用することで、「在庫ゼロ起業」を実現している。
 

■「写真をデータで終わらせない」そんな思いから生まれた新プロジェクト
〈KeepPhotographing.jp〉は、オンデマンドプリントを活用した無在庫販売を可能にする〈Printio〉とECカート〈makeshop byGMO〉の連携により、少規模にチームでも、在庫を持たずに、スモールスタートがしやすい新ビジネスとしてスタート。本プロジェクトは、ストール状のカメラストラップ〈サクラカメラスリング〉を発案した〈Sakura Sling project〉が手がける杉山さくらの新事業で、今まで培ってきたカメラマンとの関係をベースに立ち上げた。
 
〈KeepPhotographing.jp〉は、プロ写真家から写真愛好家まで、写真を愛するすべての人の作品をTシャツなどのアパレルアイテムに仕立て、オンデマンドで販売できるプラットフォームとして2025年7月1日に誕生した。本プロジェクトでは、Tシャツを「身にまとうキャンバス」と考え、さまざまな作品をデータのままで終わらせず、「モノ」として残すことで、作品に新たな命を宿し、写真業界全体の底上げに繋げることを目指す。
 
ウルトラセブンなどで知られるⓒ円谷プロを撮影した写真家・中西学氏による作品や、人気YouTuber・ゆ〜とび氏の作品など、総勢11名以上の作家による作品がTシャツとして並ぶ。プロ・アマ問わず多くの作家が名を連ねており、これからもさまざまな作家が加入予定。
 
これまで、グッズ販売には在庫管理や配送対応といったハードルがあり、個人や小さな組織で活動することの多い写真家にとっては手を出しづらい領域だったが、本サービスでは、作家にかかる費用や運用の負担をすべてプロジェクト側で解消する。そして、販売数に応じたロイヤリティを支払うことで、写真家は作品づくりとSNSでの発信に集中するだけで運用できる仕組みを採用した。この仕組みを成り立たせているのが〈PrintioAPI〉の工場と連携したオンデマンドプリントによる新しいものづくりの仕組みだ。
 
本プロジェクトの裏側を支えるのは、オンデマンド製造API〈PrintioAPI〉と、〈makeshop byGMO〉のEC基盤との連携。商品登録、注文受付、製造指示、出荷までを完全自動化することで、少人数のチームでもプロ品質の無在庫EC事業の構築が可能になり、プロジェクトが実現した。また、在庫がないからこそ、在庫管理やマーケティングに時間を割かれることなく、さまざまな作品の商品化に取り組むことが可能となる。

 

【日本を代表する写真作家の作品をより身近に】
サクラスリング10周年を機に、新プロジェクト〈KeepPhotographing.jp〉を始動します。
スカーフみたいなカメラストラップ『サクラスリング』は2014年の発売以来、写真家、プロカメラマンやカメラメーカー、サクラスリングを愛用していただく一般ユーザーの皆さまと共に歩み、2024年に10周年を迎えました。
憧れの写真業界に身を置き、多くの写真家の方々と出会い、その卓越した作品と情熱に触れ続けた10年は、かけがえのない時間でした。
しかしその一方で、スマートフォンやAI等の進化、普及によってカメラ文化そのものが大きく変化し、プロとして活動する写真家や表現者が活躍できる場が様変わりし、活動の場が縮小している現実も目の当たりにしてきました。
「作品をグッズ化する」ことは在庫リスクや販売管理の手間などの高いハードルもあり、写真家のファンの手に届きにくい状態でもありました。
また一般カメラユーザーにおいては、「自分の写真が商品になる」という可能性も描けないままでいる事が多い現状だと感じてきました。
そこで、私たちは〈KeepPhotographing.jp〉を立ち上げます。
このプロジェクトでは、日本を代表する有名写真家や、次世代を担う新進気鋭の写真家の皆さまにご参画いただき、一堂に会して新たな作品を用いたグッズ販売の場を築いていきます。さらに、写真に情熱を注ぐ全国の一般カメラユーザー作家の皆さまの作品も積極的に取り入れて、垣根を越えた「写真の共創空間」をつくります。
また私たちは、写真データをお預かりし、登録作業を代行。Tシャツなどのアパレル製品はオンデマンド印刷し、「着る写真作品」として広く発信します。
 
■作家の負担は最小限に・費用負担なし/在庫リスクなし/ノルマなし・売上に応じてロイヤリティをお支払い・作家にお願いするのはデザイン製作とSNSでの告知のみ。
Tシャツという“身にまとうキャンバス”を通じて、写真作品をデータで終わらせず、身近な「モノ」として昇華し、日常に溶け込ませる。
この取り組みはカメラ業界全体に新たな風を呼び込み、カメラ機材・周辺機器・カメラ量販店や・イメージング事業などや、ギャラリーなど表現の場も含めて活性化させ、写真という文化の地盤を、より豊かに、強くしていけると信じています。
今後は、賛同いただいた作家から順次登録を進め、デザインの幅を拡充してまいります。
〈KeepPhotographing.jp〉を通じて、多彩な写真作品を“着て感じる”文化が広がり、写真表現の可能性がさらに拓けていくことを願い、このプロジェクトを丁寧に育てていきます。
日本は世界に誇るカメラ大国です。カメラ産業や、日本の写真文化を未来永劫繋げられる様に、この取り組みが少しでもお役に立てられる事業となる事を私は心から願っております。

 

代表・杉山さくらについて
株式会社Sakura Sling project代表。元保育士。


2014年、趣味の写真撮影とハンドメイドの技術を生かし、布素材を用いたカメラストラップ「サクラスリング」を開発。以後、全国百貨店や家電量販店での展開を重ね、機能性と美しさを兼ね備えた製品として、プロ写真家から一般ユーザーまで広く支持されるブランドに成長させる。写真文化への貢献を志し、2025年よりTシャツを通じた作品発信プラットフォーム〈KeepPhotographing.jp〉をスタート。作家の表現と収益の両立を支援し、次の10年を「写真とともに生きる未来」へつなぐべく奮闘中。
 

  • ■KeepPhotographing.jp 作家一覧(敬称略・順不同)
    ハービー・山口
    http://www.herbie-yamaguchi.com/
    1950年東京都出身。23歳から10年間ロンドンに在住し、現地の劇団の役者を経験しつつ、パンクロック全盛のロンドンを活写した。
    アーティストから市井の人々をスナップポートレイトという手法で撮り続け、清楚な作風は幅広い年代層から支持されている。
    幼年期に患った腰椎カリエスという病を克服したことから「生きる希望」を写真のテーマとしている。
    エッセイ執筆、ラジオ番組、ギタリストの布袋寅泰には数曲の歌詞を提供するなどの活動もある。
    2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。日本写真芸術専門学校校長。作家名のハービーはジャズフルーティスト、ハービー・マンより。
     
    織作峰子
    http://www.orisaku.com/
    石川県出身。1982年より写真家・大竹省二氏に師事。1987年独立。
    世界各国の風景や人物を、独自の視点と感性でとらえ続け、国内外で写真展を多数実施。
    2017年ウィリアム・モリス展(現在も巡回中)。2018年・2021年・2024年には銀座・和光ホール(現セイコーハウスホール)にて展覧会を開催。
    海外政府観光局から依頼された撮影のほか、テレビ・雑誌、講演でも幅広く活躍中。
    大阪芸術大学教授、写真学科学科長。
    公益社団法人 日本広告写真家協会 業務執行常務理事。
    一般社団法人 日本写真著作権協会 理事。
     
    ルーク・H・オザワ
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BBH%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%B6%E3%83%AF
    航空写真家。1959年2月東京生まれ東京育ちの日本人。
    1973年家族で北海道旅行の際に乗った全日空B727型機に感動し以来、カメラ片手に
    羽田空港通いが始まり、ヒコーキにカメラを向けて半世紀が過ぎた。31歳脱サラしフリーランスとなり現在に至る。1980年キヤノンA-1と出合って以来キヤノン一筋45年。
    ANAとは1992年から写真提供をはじめANAカレンダーは1998年から担当。これまで多種多方面の手掛けたカレンダーは360作になる。
    風景とヒコーキをシンクロさせた情景的作風を構築し今や第1人者として活躍中。YOUTUBEやトークイベントも多数行いSNSのフォロワーは2万人を越す。
    生涯飛行搭乗回数は2390回。ANAミリオンマイラー(ANA機のみで地球125周)
    乗る、見る、聞く、集めるそして撮るといったヒコーキ三昧の人生である。
     
    熊切大輔
    https://k2-labo.com/kumakiri_daisuke
    東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科を卒業後、夕刊紙日刊ゲンダイ写真部に入社。その後フリーランスの写真家として独立。雑誌や広告などでドキュメンタリー・ポートレート・食・舞台など「人」が生み出す瞬間・空間・物を対象に撮影する。作品は様々なテーマ、アプローチをもってスナップ写真で東京の今を切り撮りつづけている。写真コンテストの審査や様々な写真講師なども務めており、特に高校生や大学生の写真指導など未来の写真家の育成にも力を入れている。
    公益社団法人日本写真家協会 会長
    日本大学芸術学部写真学科 客員教授
     
    山本まりこ
    http://marikoyamamoto.com/
    写真家。スパイスフーズ作家。理工学部建築学科卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅に出発しそのまま写真家に転身。風通しがいいという意味を持つairy(エアリー)をコンセプトに、空間を意識した写真を撮り続けている。撮影、執筆、講演、講師など活動は多岐。写真集「ARIY COLORS」「熊野古道を歩いています。」、著書「エアリーフォトの撮り方レシピ」など11冊出版。写真とスパイス料理の教室Room5656主宰、写真とスパイスカレーの空間PEANUTSuu(ピーナッツぅ)をOPEN。好きな食べ物は、カレーとイカ。
    Instagram:https://www.instagram.com/yamamarimo/
     
    ゆ〜とび
    https://www.youtube.com/channel/UCtsSjW0vQfrujy-T5NJERMg
    写真愛好家/YouTuber
    YouTubeチャンネル登録者数17.4万人(2025年6月時点)
    東京カメラ部10選2024
    オンラインコミュニティ「SWAMP」運営。
    カメラ初心者さんにも見てわかりやすい撮影テクニックや機材レビューなど、写真やカメラにまつわる様々なコンテンツを発信中。
    大好きな風景写真、野鳥や夜景など、ジャンルに捉われず撮影を行っている。
    YouTube→@Yu_tobi
    Instagram→@yutobi
    X→@y_to_bi_
     
    小原孝博
    https://www.kohara-photography.com/
    静岡県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、文藝春秋写真部を経て独立。
    1987年よりマラドーナを追いかけイタリア、アルゼンチンへ。イタリアセリエA、W杯イタリア大会などを撮影し『スポーツグラフィック・ナンバー』などに掲載。
    共著に『サッカーへの招待』梧桐書院。
    その後バリ島に魅せられ祭や芸能、島民の暮らしを撮影。写真集に『オラン・バリ』ダイヤモンド社。掲載媒体にJAL機内誌『WINDS』JCBカード会員誌『THEGOLD』『プレジデント』『クレア』など多数。写真展に『音降る島』、バリ島にて『AMBIENT BALI』など。テレビ出演として『WANDER EARTH TRAVELLER』BS-TBS。
    他の媒体として『文藝春秋』『ダンチュウ』『アエラ』『カメラマガジン』『エスクアイア』『別冊太陽』『Coyote』など。写真展として『息吹き』『木霊』ルーニィ247ファインアーツ、『光の音色』iaギャラリーなど。
    現在は日本中の聖地を撮り続けている。
     
    安達ロベルト
    https://www.robertadachi.com/
    写真家、作曲家、画家、Multidisciplinary Artist、Creativity Explorer。写真家としては、国内外のギャラリーやイベントで作品を展示。雑誌、ウェブマガジンに寄稿。リコーGRシリーズのカタログ写真などを担当。作曲家としては、ミニマル、ネオクラシカルの楽曲を中心に各種プラットフォームで配信。映画音楽からハンドパン、DJまで幅広く活動。画家としては、水彩画を中心に個展を多数開催。主な出版に写真集「Clarity and Precipitation」(arD)がある。上智大学卒業。
     
    中西学
    https://www.ukphoto.co/
    岡山県出身。公益社団法人日本写真家協会所属。UKPHOTO代表。
    いち早くドローン技術を取り入れて日本の絶景写真を撮り始める。2011年からは自らの個展も開催。近年ではULTRAMAN、グリッドマンユニバース、ウルトラセブンの写真展を開催。広告、雑誌表紙、プロモーションビデオ撮影と活動は多岐に渡る。LEON.JP連載、カメラ雑誌執筆等も行う。
    Microsoft(MCT)
    公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
    dji CAMP Specialist
    SONYαアカデミー講師
    FUJIFILM Xフォトグラファー
    DavinchResolve18 CertifildTrainer
     
    今井しのぶ
    https://www.kodomotocamera.com/
    ベビー・キッズフォト専門家
    三重県出身、神奈川県川崎市にてベビー・キッズ・ファミリー向けのフォトスタジオ「こどもとかめら」を運営。
    専業主婦からフォトグラファーになった経験を活かし、子ども写真を可愛く素敵に残す初心者向けフォトレッスンやプロ養成講座を開講。
    書籍「人物ポージングのレシピ帳」他多数。
    日本写真家協会(JPS)会員、CanonEOS学園講師
    アンバサダー:EIZOColorEdge、Godox、LENSBABY
     
    上野ユースケ
    1979年生まれ。東京育ち。
    2011年の地震をきっかけに写真を撮り始める。

 

【関連リンク】

https://project.sakurasling.com

 

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