芸術団体Two Monologueは「Ambiguous Intentions」と題した展覧会を、2025年7月5日(土)から8月31日(日)にかけて、東京都内の3会場(「Sculpture Center」「Sequence, Environment, Neutral.」「le gallery」)で実施する。
それぞれ異なる場所と時間に開かれるこの展覧会は、展示という制度のなかで語られることと語られ損ねること、翻訳されることと翻訳されきらないものの間に現れる、微細な揺らぎや構造の裂け目に注目する。
本展は、展示が作品に語りを要請する構造そのものを見つめ直す試みだ。作品や表現が制度のなかで意味化されていくとき、その過程でこぼれ落ちていくもの−曖昧な意図、断片、翻訳されなかった何か−に、空間のなかでとどまる余地があるのかを問いかける。そのため、明確なメッセージや読解の手がかりを与えるのではなく、意味の前にある濃度や関係の未形成性、応答しきれない沈黙といったものが、あえて解釈の外に配置されている。語られなかったものを制度の中に置く。その選択が、語るという行為に対するもうひとつの応答であると考えている。
哲学者リチャード・ローティーは、真理を普遍的・絶対的なものとは見なさず、「その時代に許容された語りにすぎない」と述べている。この考えは、語りが制度や文化的条件によって構成されているという前提を示すものであり、語られる内容が常にそれらの枠組みに依存していることを浮かび上がらせる。
そのような前提を引き受けながら、制度の縁にとどまることで、語られなかったものの輪郭や気配をかすかに照らし出すことを試みている。
- ■展覧会情報
Two Monologue「Ambiguous Intentions」
▼SCULPTURE CENTER
会期:2025年7月5日(土)~8月31日(日)
参加アーティスト:井田大介、上野森爾、敷地理、黒瀧保士、山根一晃、遠藤利克(作品借用)、原口典之(作品借用)、松澤宥(作品借用)
時間:14:00〜20:00
休廊日:月曜日、火曜日、水曜日(8月14日〜17日は夏期休廊)
住所:東京都荒川区東⽇暮⾥2-10-7 第⼆コーポ嶋⽥1F
▼SEQUENCE,ENVIRONMENT,NEUTRAL.
会期:2025年8月1日(金)~8月31日(日)
参加アーティスト:秋山珠里、黒瀧紀代士、小林優平、関川航平、鳥井祥太、村田啓、本谷有希子、涌井智仁、Kornieieva Varvara、Riyo Nemeth、Taka Kono
時間:13:00〜19:00(土日:12:00〜18:00)
休廊日: 月曜日、火曜日、祝日
住所:東京都墨田区江東橋5-10-5
▼LE GALLERY(個人宅・予約制)
会期:2025年8月13日(水)~8月17日(日)
参加アーティスト:小松原裕輔
主催:Two Monologue
後援:株式会社NOiR
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京【ライフウィズアート助成】
設計:GROUP
協力:GALLERY KOGURE、SCAI THE BATHHOUSE 、Yumiko Chiba Associates 、一般財団法人松澤宥プサイ(ψ)の部屋、Artifact、Sculpture Center、Sequence,Environment,Neutral.
【関連リンク】
https://www.ambiguousintentions.com
会期 | 2025年7月5日(土)~8月31日(日) |
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