入江泰吉記念奈良市写真美術館で生誕120年 入江泰吉自選「奈良大和路 春夏秋冬」が開催される。
本展で紹介する作品群は、入江泰吉記念奈良市写真美術館の開館に先立つ1991年、入江自身が約8万点におよぶ寄贈フィルムの中から選び抜いたカラー作品100点からとなる。これは、彼が生涯をかけて撮り続けた奈良の風景と仏像の中から、自らの集大成として編んだ「自選」の作品群だ。
選出作業は1991年の春から約半年をかけて行われた。写真集のレイアウトが整った11月中旬、入江は病状に伏しながらも、一点一点の題名を確認し、展覧会に託す思いを静かに語ったという。そして翌年、1992年1月16日、86歳でその生涯を閉じた。
生誕120年の節目にあたり、改めて入江の歩みと作品の魅力に触れる機会として開催する。四季折々の大和路に込められた、入江のまなざしと思いを感じ取れる展示となる。
なお、「奈良大和路春夏秋冬」という展覧会タイトルは、入江の旧友であった画家・杉本健吉による命名であり、その題字も杉本氏自身の揮毫によるもの。入江と杉本氏は同い年で、深い友情を育んできた。杉本氏の筆に込められた、入江への敬意と友情の証もまた、本展の大切な一部である。
- ■展覧会情報
生誕120年 入江泰吉自選「 奈良大和路 春夏秋冬 」
会期:2025年7月19日(土)~10月19日(日)
時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休廊日:月曜日
会場:入江泰吉記念奈良市写真美術館
住所:奈良市高畑町600-1
■プロフィール
入江泰吉(1905~1992)
1905(明治38)年11月5日、奈良市に生まれる。1931(昭和6)年、大阪に写真店「光藝社」を開き、文楽の写真家として活躍。1945(昭和20)年3月の大阪大空襲で自宅と店舗を焼失、奈良へ引き揚げる。同年11月17日、疎開先から戻る東大寺法華堂の仏像を目撃、アメリカに接収されるとの噂を聞き、写真に記録することを決意。以来、奈良・大和路の仏像、風景、伝統行事の撮影に専念。晩年には「万葉の花」を手がけるなど約半世紀にわたって撮り続けた。1992(平成4)年1月16日、86歳で逝去。同年4月、入江泰𠮷の全作品を収蔵した奈良市写真美術館が開館。2015(平成27)年3月、戦後から亡くなるまで暮らした住居を「入江泰𠮷旧居」として一般公開中。
【関連リンク】
https://naracmp.jp/QgZ_oVyS/w624r651
出展者 | 入江泰吉 |
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会期 | 2025年7月19日(土)~10月19日(日) |
会場名 | 入江泰吉記念奈良市写真美術館 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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