東京両国のピクトリコ ショップ&ギャラリーで松村 明 「閃光の長崎」が開催される。
被爆者の体験は視覚からだけではなく、一生忘れられない体で覚えた記憶になっている。また、親や子を無くしても、涙も出ない。憶えていないなど、自己防御規制と思われ、心が感情を封印してしまう。それらを始め異常体験をくぐり抜けてきた被爆者の身体、特にお顔に刻みこまれていることが見えてきた。
撮影にあたり私なりに勝手な決めごとをし、爆心から5キロ圏内、被爆の瞬間を体験している方に限らせていただいた。この条件下の方々は、特段の異常な体験であったであろうことからだ。
被爆者の平均年齢が85歳を超えた。いざ撮影という段になって、体調がすぐれず対応できない方や、次の約束で連絡をすると「亡くなりました。」という事もあり撮影の状況は年々難しくなってきている。
今回の展示作品は、フィルムはモノクロ、プリントはバラ板紙を使用。モノクロームトーンにおける抽象化、デジタルとは一味違うトーンの深みと粒子による円やかさで伝わり方が違う。その質にこだわる事で被爆者の顔に刻まれディテールをじっくり見てもらいたいものだ。また、モノクローム写真だけではなく、カラーの長崎の情景も加えた。(カラーはインクジェットプリント)
現在、80有余名の被爆者のお顔を撮影した。100名の目標に近づくべく撮影は続く。
■展覧会情報
松村 明 「閃光の長崎」
会期:2025年6月17日(火)~6月21日(土)
時間:11:00〜18:00
休廊日:会期中無休
会場:ピクトリコ ショップ&ギャラリー
住所:東京都墨田区横網1-2-16 両国ガイビル 國技館前 5F(旧:東誠ビル)
■プロフィール
松村 明(まつむら・あきら)
1946年京都生まれ。1969年日本大学芸術学部写真学科卒業。
写真家・長野重一氏に師事、毎日新聞社写真部入社。カメラ毎日本誌及び別冊ニューヌードなど担当。
1983年 文化庁在外派遣研修員、ニューヨーク州のイーストマンハウス国際写真美術館で研修
1987年「EMPATHY」日本現代写真10人展(森山大道ほか)全米巡回展キューレイション
2005年〜2013年 九州造形短期大学写真学科教授
2014年〜 福岡市・大名にて写真塾・フォトマッサージ主宰
【関連リンク】
https://www.pictorico.jp/press-release/detail/933/
出展者 | 松村 明 |
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会期 | 2025年6月17日(火)~6月21日(土) |
会場名 | ピクトリコショップ&ギャラリー |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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