top 本と展示展覧会ピックアップ東京品川のキヤノンギャラリーSで佐藤健寿「U.F.O.」が開催

東京品川のキヤノンギャラリーSで佐藤健寿「U.F.O.」が開催

2025/04/21

東京品川のキヤノンギャラリーSで佐藤健寿「U.F.O.」が開催される。
 
世界各地の〝奇妙なもの〞を対象に、博物学的・美学的視点から撮影を続けている写真家・佐藤健寿。およそ20年もの長きにわたり、世界を旅しながら、多様な文化や民俗、そして、その土地土地に生きる人々の姿を見つめてきた。
 
摩訶不思議な世界だけでない、ニュートラルな視線で撮影された作品140点を展示する。2003年の初期作品から2025年の新作まで旅の軌跡を辿っていくうちに、何か見えてくるものがあるかもしれない。
 
作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし展示する。

 

■作家メッセージ
 唐突に、ある光景を思い出すことがある。
 およそ20年近くも世界をうろうろしていると、旅の中で見た膨大な光景が、いつしか記憶の中で混ざり合って、突然、頭の中でフラッシュバックするのだ。記憶の彼方から現れる光景は、いつも支離滅裂で、限りなく未知に近い。
 引き出しの奥から突然出てきた古い写真のように、本来の場所から切り離されて、意味を失くした光景。ここはポンペイ島の蒸し暑いホテルか、ペルーのうら寒い安宿か、極寒のヒマラヤの山小屋か、ポルトガルの小さな教会か、薄汚れた西安の食堂か、あるいはネバダの砂漠、エリア51近くのモーテルだったか。
 映画を見た夜、何気ないワンシーンがふいに蘇るように、フラッシュバックするのは、旅の最中は意識すらしなかった、名前も知らない景色ばかりだ。そして次には、それが果たしてどこに属すべきものだったかをしばし考える。自分は本当に、ここにいたのだろうか。
 旅から帰って写真を眺めるたび、撮ることができたものよりも、撮れなかったもののことを考える。写真に写せなかったもの、あるいは写らなかったもの。何かを撮影するということは、それ以外の何かを切り捨てることと同義だ。
 未知のもの/ Unknown、忘却したもの/ Forgotten、見過ごしたもの/ Overlookedーーー写真が世界のネガとしてあるように、見えるものとは、常に見えないものの反照にすぎない。

 

  • ■展覧会情報
    佐藤健寿「U.F.O.」
    会期:2025年5月15日(木)~6月24日(火)
    時間:10:00〜17:30
    休廊日:日曜日、祝日
    会場:キヤノンギャラリーS
    住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F・2F

 

■プロフィール
佐藤健寿(さとう・けんじ)
写真家。『奇界遺産』シリーズ(エクスナレッジ)は写真集として異例のベストセラーに。ほか著書に『世界』『PYRAMIDEN』、『CARGO CULT』など。TBS系「クレイジージャーニー」ほか出演多数。写真展は過去、ライカギャラリー東京/京都、高知県立美術館、山口県立美術館、群馬県立館林美術館などで開催。「佐藤健寿展奇界/世界」は全国で巡回し13万人を動員。
 
【関連リンク】
https://personal.canon.jp/event/photographyexhibition/gallery/sato-ufo

展覧会概要

出展者 佐藤健寿
会期 2025年5月15日(木)~6月24日(火)
会場名 キヤノンギャラリーS/オープンギャラリー1・2

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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