小林紀晴「Cyber Modernity-Shanghai,Chongqing,Bangkok,Ho chi Min」©Kisei Kobayashi
東京新宿のニコンサロンで小林紀晴「Cyber Modernity-Shanghai,Chongqing,Bangkok,Ho chi Min」が開催される。
私は20代前半からアジアの都市を旅しながら撮影を行ない、約30年にわたりその変化を目にしてきた。そもそもは土着的な風景、独自の文化、民族の風習、伝統といったものに大きな魅力を感じていた。
あるとき、それらが都市から消えていることに気がついた。代わりに見知らぬ街が目の前に立ち現れ始めた。そのことに興味をもち、コロナ禍を挟み、3つの国、4都市を巡った。目撃したのは、過剰なまでの空間と時間軸、それらによる欲望の露呈だった。世界中のどこよりも抽象化された、匿名性に満ちた架空都市のように映った。かつて、匂うほどに「いま、ここ」が濃厚だった同じ場所が、どこまでも希薄になり変わっていた。
私はそれに名前をつけることにした。「Cyber Modernity≒超現代電子空間」
すると都市の名もただの記号に思えてくるのだった。あらたな都市の出現に私は魅かれる。
参考文献:マルク・オジェ『非―場所』(訳・中川真知子 水声社 2017)
- ■展覧会情報
小林紀晴「Cyber Modernity-Shanghai,Chongqing,Bangkok,Ho chi Min」
会期:2025年4月22日(火)~5月2日(金)
時間:10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休廊日:日曜日
会場:ニコンサロン
住所:東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
■プロフィール
小林紀晴(こばやし・きせい)
1968年長野県生まれ。
1988年東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社にフォトグラファーとして入社後、1991年に独立。アジアを多く旅し作品を制作。近年は自らの故郷である諏訪地域でも作品制作を行っている。写真集・著書に『kemonomichi』『愛のかたち』『ニッポンの奇祭』 『見知らぬ記憶』『まばゆい残像』『孵化する夜の啼き声』『深い沈黙』『写真はわからない』などがある。
受賞作に1997年『DAYS ASIA』日本写真協会新人賞、2013年『遠くから来た舟』第22回林忠彦賞、2023年『縄文の庭』日本写真芸術学会賞(芸術賞)などがある。初監督映画作品『トオイと正人』でバンコク国際ドキュメンタリー映画祭 2021新人監督賞、東京ドキュメンタリー映画祭2021ほか入賞。東京工芸大芸術学部写真学科教授。
【関連リンク】
https://nij.nikon.com/activity/exhibition/thegallery/events/2025/20250422_ns.html?srsltid=AfmBOor4mbjL3BNcq4gtmSsG0mKZD08Fjn39Ljj9uMjeCk6I0sIq5u0y
出展者 | 小林紀晴 |
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会期 | 2025年4月22日(火)~5月2日(金) |
会場名 | ニコンプラザ東京 ニコンサロン/THE GALLERY |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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