top 本と展示写真集紹介初沢亜利『東京2024』

初沢亜利『東京2024』

2025/03/12
髙橋義隆

初沢亜利『東京2024』が刊行された。2025年2月6日からRoonee247 Fine Artsで開催された同名展示に合わせて制作された。以下、展示の際のステートメントを転載する。

 

2024年12月1日から年明け1月31日まで福島県双葉郡浪江町に滞在する中、12月26日、浪江駅前の浜センという交流施設で、これを書いています。
従って、今回の展示作品は11月までに撮影されたものになります。
知らない町に足を踏み入れ、ゼロから撮影を始めるのは、2014年の沖縄以来で、ワクワクもしますが、根気と体力のいる作業です。東京を離れる際に11ヶ月分の写真を整理しました。
 
2024年は何をしてたっけ?イマイチ充実感のない1年だったなぁ、と振り返りつつ、写真のセレクトを終えると、展示候補作品は200点を超えました。
案外撮っており、撮れていることに気がつきました。
これまでにない、不思議な感覚でした。
 
見知らぬ町での作品制作は、真新しさから始まり、一定期間集中的に人々や風景に向き合います。
出身地、拠点である東京を久しぶりに撮った、2020年からのコロナ禍では街の様子にも撮影者自身にも一定の緊張感があり、特別な期間を撮影した、という自覚がありました。
「その後も東京を撮っています」と言うと、「テーマはなんですか?」と訊かれます。「ただ撮っているだけです」と答えると相手は首を傾げます。
という訳で、作品を展示し図録を残します。
正式な写真集ではないですが、毎年出し続け、10年積み上がったら、判型はA4位の安紙でページ数の多い写真集を作りたい。
長期計画の場合、気合いは長続きしないので、淡々と東京を漂い、撮り続けていきます。
 
初沢亜利

 

初沢亜利『東京2024』
サイズ:A4
仕様:ソフトカバー、カラー
発行年:2025年2月6日
発行:Roonee247 Fine Arts

 

【関連リンク】
https://www.roonee.jp/exhibition/room1/20250123131002

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