川崎祐『わたしの知らない場所の名前』が刊行された。本書は2025年1月25日から2月23日まで開催された「あざみ野フォト・アニュアル」企画展「わたしの知らない場所の名前」にあわせて刊行された。
川崎は、2017年に自身の家族と故郷・滋賀県長浜市の風景を撮影したシリーズ「光景」で第17回写真「1_WALL」グランプリを受賞し、2018年「Scenes」で第44回木村伊兵衛写真賞最終候補者にノミネートされた。2019年に初の写真集『光景』(赤々舎)を、2023年に『未成の周辺』(喫水線)を刊行している。
川崎の写真からは、これまで培ってきた文学研究の素養だけでは説明することができない、被写体(人物、風景)との単純化できない独自の距離感と「物語化」への抵抗を見て取ることができる。
展示では川崎が2017年以降発表してきた2つのシリーズ「光景」と「未成の周辺」に、初公開となる「他人の場所」シリーズを加えた3つのシリーズで構成された。「私(という一人称)」「カメラ(の機械性)」「他者(の記憶)」に関する問題意識を一貫して示してきた川崎が、風景に対して独自にアプローチした作品を通して、今日における写真の持つ可能性を探る。書評や文芸誌への寄稿も数多く手掛ける川崎による、本展書き下ろしテキストが展示作品により深みを与える。
■プロフィール
川崎祐(かわさき・ゆう)
1985年 滋賀県生まれ
2009年 早稲田大学第一文学部卒業
2013年 一橋大学大学院言語社会研究科修士課程修了
個展
2024年「未成の周辺」Gallery TUTUMU(滋賀)/BOOK AND SONS(東京)
2023年「未成の周辺」kanzan gallery(東京)
2022年「未成の周辺」Alt_Medium(東京)
2021年「光景」MARÜTE GALLERY(香川)
2020年「光景」忘日舎(東京)
2019年「小さな場所」SPRING GALLERY(山梨)/Gallery TUTUMU(滋賀)
「光景」銀座ニコンサロン(東京)/大阪ニコンサロン(大阪)
2018年「Scenes」ガーディアン・ガーデン(東京)
グループ展
2017年 第17回写真「1_WALL」展 ガーディアン・ガーデン(東京)
受賞
2017年 第17回写真「1_WALL」グランプリ
写真集
2023年 『未成の周辺』(喫水線)
2019年 『光景』(赤々舎)
川崎祐『わたしの知らない場所の名前』
サイズ:28×16mm
ページ:32ページ
製本:中綴じ、箱入り
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