top 本と展示展覧会ピックアップ東京目黒のJam Photo Galleryで山田達男「息づかい」が開催

東京目黒のJam Photo Galleryで山田達男「息づかい」が開催

2025/03/03

山田達男「息づかい」©Tatsuo Yamada

 

東京目黒のJam Photo Galleryで山田達男「息づかい」が開催される。

 

■ステートメント
そこは人が立ち入るのを拒むような荒れた溶岩大地にあり、豊かな伏流水に恵まれ原始の森が広がっていた。真冬に強い風が吹き荒ぶ稜線では地表を這うように茂る樹木の合間から骸骨のような老木が顔を覗かせる。そんな人の手の入らぬ森に惹きつけられたのはなぜだろう。
 
静まりかえり水や風の音が聞こえるだけの空間に佇むと、自然が奏でるかすかな音とともに気配を感じることがある。その瞬間振り返ると何かの息づかいが聞こえ、張り詰めた中で徐々に際立つ気配を感じながら自分の感覚が研ぎ澄まされていく。ある日、湿度の高い靄に包まれた森に突然薄日が差し込み、見上げると頭上の磐座とそれを囲む樹々が神々しく目に入ってきた。強風に倒れた大木は湾曲しながら光を求めて上に伸び、その幹を地表の苔が鮮やかに覆いつくした様子があたかも自然な光景で目に映った。溶岩台地では樹木が大きな岩にぐるりと根を回し、雨風に耐えながらずっとそこにあり続ける姿を捉えたくて、ぬかるむ藪の中をぐるぐる回りながらレンズを向けた。
 
人の手の入らぬ森は想像を超える長い時間をかけて今がある。そこでは地面を覆う落ち葉や朽ち苔むして土に還ろうとする倒木の上に幼木が芽を出し、周囲の植生や環境に強い影響を受けながらもそれぞれが均衡し命が繰り返してゆく姿がある。そして水を貯え呼吸し、二酸化炭素から酸素への循環を永々と続けてゆく。その息づかいは動物の肺呼吸のような動きもなく淡々としたものだが、その気配が私には確かに感じられる。

 

■展覧会情報
山田達男「息づかい」
会期:2025年3月25日(火)〜3月30日(日)
時間:12:00〜18:00(日曜は17:00まで)
休廊日:月曜日
会場:Jam Photo Gallery
住所:東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室

 

■プロフィール
山田達男(やまだ・たつお)
1956年東京都生まれ。現在千葉県佐倉市在住。早稲田大学卒業後株式会社ニチレイに42年間在籍、64歳で退社し現在は個人事業として経営コンサルタントと映像制作。写真撮影に本格的に取り組み始めたのは60歳を過ぎてから。国内・海外問わず森や大地など自然の様々な姿に畏敬を感じシャッターを切ることを大事にして作品制作に取組んでいる。2021年からGOTO AKI+池谷修一「写真の実践と研究」ワークショップに参加。アイスランドにはこれまで4回、約15,000kmをトヨタランドクルーザーで走り撮影を行ってきた。
 
▼個展
2023年11月「最果ての色 創られた形」(キヤノンギャラリー銀座・大阪)􀀀アイスランドの自然風景の作品
グループ展
2023年3月「写真の研究と実践II 第1回展」(代官山AL)
2024年3月「写真の実践と研究 -第3期- ゼミナール展」(代官山AL)
 
【関連リンク】
https://www.jamphotogallery.com/exhibitions

展覧会概要

出展者 山田達男
会期 2025年3月25日(火)〜3月30日(日)
会場名 Jam Photo Gallery

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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