top 本と展示展覧会ピックアップ松井正子写真展「Winter WanderingsⅠ-South Korea,1981/82-」がphotographers’galleryで開催

松井正子写真展「Winter WanderingsⅠ-South Korea,1981/82-」がphotographers’galleryで開催

2022/05/23

松井正子は1970年代より、異なる政治・宗教・文化の中に存在する共通の情緒を掬い取りたいと、ポルトガルとそのかつての植民地をはじめ、海外で撮影した写真を発表してきた。本展では、1981年/1982年の「韓国冬の旅」で撮影された未発表の写真を展示する。
 

「初めて訪問した韓国は、1979年朴正煕大統領暗殺事件、1980年光州事件の後でそれらの事件の影が色濃く残る時期であった。訪韓には査証が必要であり、当時の日本からの観光客はほぼ男性であった。ソウルでは、劇場の開演前や毎夕方街中に愛国歌が流れ、全ての人々は直立不動になった。夜12時から朝4時まで一切の夜間外出は禁止されていた。男女の区別のつかない長髪の取り締まりも行われていた。若者の多くは、迷彩服や学生服を着ていた。軍事休戦中の国であることを意識させられる重い冬の旅であったが、写真の中の韓国には予想に反して長閑な空気が漂っていた。最近の硬直化した印象の韓国とは異なった素朴な姿が写っていた。旅で見ることのできるものは、その場所のある一瞬であろう。いつも街は、生き物のように同じ場所でも時代、季節、曜日、時間帯等により全く異なった姿をみせる。そして時折その中に普遍を垣間見せることがある。人間の予想を超える出来事が次々と起こってくる不安定な今、かつて旅した国のある一瞬を展示することに意味があるのかと自問しながらも、消えていった何でもないその時、その場の日常の一瞬を写真により存在させたいと考えた。撮影地:ソウル・慶州・釜山・済州・木浦・光州・全州・水原。」(松井正子)


 
会場:photographers’gallery
期間:2022年6月6日(月) − 6月19日(日)
時間:12:00 − 20:00 会期中無休

https://pg-web.net/exhibition/matsui-masako-wwisk198182/
 
【展示内容】
インクジェットプリント、モノクロ、約22点
 
【写真家プロフィール】
松井正子(まつい・まさこ)
東京都生まれ。上智大学卒。ワークショップ荒木経惟教室で写真を学ぶ。
写真展
1975年 個展 (荻窪シミズ画廊・東京)
1977年「海からの影 ―ポルトガル」(PUT・東京)
1987年 個展(room801・東京)
2000年「Six days in Vladivostok-ウラジオストクの6日間」(photographers’ gallery)
2000年「Japan in my mind-記憶の日本」(KURA)
2021年「聖顔―Holy Countenance」(photographers’ gallery)
2021年「Japan in my mindⅡ―不忍池」(photographers’ gallery)
その他写真展示
2005年「遠い写真 ―モサンビーク・アンゴラ」
2007年「バルト」
2009年「O Sul-南へ」
2014年「Brasil・Brasil」
2015年「約束の場所 ―アイルランド゛」
2015年「Faces of Water ―水の面」
2016年「A Far Away Place ―彼方へ」
2017年「A photo in a photo ―写真の写真 A Time Tunnel by a photo」
2019年「バルカン ―時空の凪―」
グループ展
1976年「百花繚乱」(荻窪シミズ画廊・東京)
2010年「二人展―実存・os Lusiadas」(熊谷守一美術館・東京)
2011・2014年「さもあらばあれ」(こどじ・東京)
写真集
2014年『遠い眼差し』(窓社)
2015年『Portraits in Africa』(之潮)
2020年『Six days in Vladivostok-ウラジオストクの6日間』(KULA)
2020年『Japan in my mind-日本の記憶』(KULA)
2021年『聖顔―Holy Countenance』 (フォトグラファーズ・ギャラリー)
2022年『Japan in my mindⅡ-不忍池・近江―』(フォトグラファーズ・ギャラリー)
1976年『うわさのシャッターズ』(北冬書房・グループ作品)

 

【関連リンク】

https://pg-web.net

展覧会概要

出展者 松井正子
会期 2022年6月6日(月)〜6月19日(日)
会場名 photographers’gallery

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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