山口哲嗣「軽やかなフィクション」©︎ 2024 Tetsuji Yamaguchi
東京目黒のJam Photo Galleryで山口哲嗣「軽やかなフィクション」が開催される。
長女の誕生をきっかけにカメラを手にした。今年、娘は15歳、息子は12歳になる。ずっと2人の成長を記録している。
卒業式などの特別な瞬間はもちろん、自宅での何気ない時間や公園で楽しそうに遊ぶ姿もさまざまな場面でカメラを通して見守っている。そんな中、突然無表情になったり、急に大人のような話し方をしたり、予想もつかない奇妙な行動をする子どもたちがまるで別の生き物のように見えることがある。子どもの表情や仕草から感じ始めた微妙な違和感は、いつの間にか日常の風景にも広がっていった。
そしてその違和感からある考えを抱くようになった。もしかしたら、この日常は効果的に作られたプログラムの一部なのかもしれない。今、ここで笑っている子どもたちも、親である自分や家族に合わせるためのキャラクターなのかもしれない。全てはプログラムに従って、ストーリーを進めるための演出なのだろう。
写真を見返すと、そのキャラクターたちはいろんな経験を重ねて確実に成長している。それが私の生きるモチベーションとなり、単調な日々にたくさんの彩りを与えてくれる。振り返ってみると、自分自身もまた何かにプログラムされた日常を送ってきたことに気づきながら、このキャラクターたちの存在によって自分は人間らしくなってきたのだと実感している。
たとえこの世界が偽物だったとしても、私はこの素敵なプログラムを最大限に楽しむしかない。
- ■展覧会情報
山口哲嗣「軽やかなフィクション」
会期:2025年2月11日(火)~2月16日(日)
時間:12:00〜18:00(日曜は17:00まで)
休廊日:月曜日
会場:Jam Photo Gallery
住所:東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室
■プロフィール
山口哲嗣(やまぐち・てつじ)
1979年生まれ。大阪府在住。プラスチック成形工場にて品質管理業務を経て、Webデザイナーに転職。そこでデザインの勉強の一環としてカメラを手にする。同時期に長女が産まれ家族を撮り始める。現在は金融機関に勤める傍ら、家族をテーマにした作品を発表。株式会社シグマのキーオピニオンリーダーとしても活動しており、2024年シグマカレンダーに作品が採用されている。
▼受賞歴
IMA next #22,#24ショートリスト
APAアワード2022,2023,2025 入選
▼個展
2022.10 “機微の日々” Roonee 247 fine arts gallery, 東京
2023.04 “機微の日々” かまどの下の灰までgallery, 和歌山
2023.06 “まだ春とは呼べない季節” PHOTO GARDEN, 奈良
【関連リンク】
https://www.jamphotogallery.com
出展者 | 山口哲嗣 |
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会期 | 2025年2月11日(火)~2月16日(日) |
会場名 | Jam Photo Gallery |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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