top 本と展示写真集紹介鶴巻育子『幸せのアンチテーゼ 』

鶴巻育子『幸せのアンチテーゼ 』

2025/01/15
髙橋義隆

鶴巻育子『幸せのアンチテーゼ 』がJam Booksより刊行された。

 

世間に対する反発や憧れを抱きながら身近な風景や街で出会った人々を写真に収め、自分の心理状態を探る作業と共に幸せとは何かを問い続ける。近年のスナップ写真をまとめた写真集。
 
今年梅雨の時期に母方の伯父が他界した。親族7人だけの小さな葬儀を行い、猛暑の中松戸にあるお寺で納骨を済ませた。私はこの歳になっても家族とうまく付き合えない。母と顔を合わすのも母からのLINEも苦痛で仕方なかった。正月実家での時間が苦手で、毎年年末になると気が重くなる。

納骨の後、みんなで金町へ移動し従兄弟が予約していた割烹料理屋に入った。親戚と話すなんて葬儀の時くらいなものだから照れくさい。だけど、この日はやけに楽しくてみんなといる時間が愛おしくて、勝手に白ワインを何本もオーダーしガブガブ飲んでしまった。そして隣に座る母に優しくできた。
 
この本のために書いていた800文字近いテキストは、もうどうでもよくなって消してしまった。
 
 
2024年12月 鶴巻育子

 

■プロフィール

鶴巻育子(つるまき・いくこ)
1972年東京生まれ。写真家。1997年の1年間渡英し語学を学ぶ。帰国後、周囲の勧めで 写真を学び始めた。カメラ雑誌の執筆や写真講師など幅広く活動する一方、2019年に東京・目黒に写真ギャラリー Jam Photo Gallery を開設。著名写真家による企画展の開催に加え、若い写真家にも発表の機会を提供し、展示のキュレーションも行っている。国内外のストリートスナップで作品を発表しながら、視覚障害者の人々を取材し「みること」をテーマとした作品にも取り組んでいる。

 

鶴巻育子『幸せのアンチテーゼ 』
発行:Jam Books
発行日:2024年12月3日

デザイン:鶴巻育子
仕様:A5横、72ページ、無線綴じ

価格:2,500円(税込)

 

【関連リンク】
https://jambooks.stores.jp/items/674d61143fd2e10291a832a4

関連記事

PCT Members

PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。

特典1「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
特典2書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント
今後もさらに充実したサービスを拡充予定! PCT Membersに登録する