東京東神田のKanzan gallery でkanzan Curatorial Exchange 「生き延び」vol.3 上原沙也加「緑の日々」が開催される。
台湾を撮影した新作のカラー写真で構成される本展覧会は、「VOCA展2024」で発表され奨励賞ならびに大原美術館賞を受賞した「幽霊たちの庭」とMISA SHIN GALLERY(東京)で公開された「花売りのおばあさん」を含むモノクロームのシリーズ「緑の部屋」と蝶番の関係にある。双方のタイトルにある「緑」とは、台湾で長年歌い継がれている歌や、深い山の風景に由来しているそうだ。モノクロームの「緑の部屋」では特定の場所とそれにまつわる来歴を扱ってきたが、カラーの「緑の日々」はそれに限らずより広がりを持ったシリーズとなっている。
1993年生まれの上原沙也加にとって、沖縄とは日々の暮らしを営む場所であると同時に、生まれる前から何度も破壊され、その上で何度も復元されてきた風景のことでもある。辿った歴史に違いはあれども、隣島である台湾に似たような痕跡と傷を見た上原はそれをカメラに収めていく。
いずれ訪れる忘却や破壊の可能性に抗って上原は記録していく。そうして残された痕跡は絶えず新たに解釈され続け、その意味は変化し続ける。それゆえ上原の写真には終わりがなく、彼女自身の生を超えて生き延びる。
- ■展覧会情報
kanzan Curatorial Exchange 「生き延び」vol.3- 上原沙也加「緑の日々」
会期:2024年11月9日(土)~12月15日(日)
時間:12:00〜19:00(日曜日は17:00まで)
休廊日:月曜日、火曜日
会場:kanzan gallery
住所:東京都千代田区東神田1-3-4 KTビル2F
■プロフィール
上原沙也加(うえはら・さやか)
1993年沖縄県生まれ。写真家。東京造形大学卒業。主な受賞に、第36回写真の町東川賞新人作家賞(2020)、「VOCA展2024 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」VOCA奨励賞、大原美術館賞(2024)、出版物に『眠る木』(赤々舎、2022)がある。風景のなかに立ち現れる記憶や傷跡、場所や物が保持している時間の層を捉える実践として、写真作品を制作している。
【関連リンク】
http://www.kanzan-g.jp/exhibitions/sayaka-uehara-2024/
出展者 | 上原沙也加 |
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会期 | 2024年11月9日(土)~12月15日(日) |
会場名 | Kanzan gallery |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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