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SMP GALLERY 東京ミッドタウンにて「韓国写真家 ナム・ジョンヒョンの眼差し」が開催

2026/02/18

Ant chair/Arne jacobsen_part1(左) White porecelain of the Joseon_line series 1(中央)Channel with egg chair(右)  ©Jonghyun Nam 

 

東京ミッドタウンのライフスタイルショップ「STYLE MEETS PEOPLE」併設のSMP GALLERYにて、韓国・ソウル在住の写真家Jonghyun Nam(ナム・ジョンヒョン)の個展が開催される。

 

本展では、韓国の伝統的手漉き紙「韓紙(ハンジ)」を支持体とし、あえて影を排して被写体の本質を捉えた4つの主要シリーズ「WINTER LOTUS/THE THINGS/THE CHAIR/BARBIE」から代表作を選び、関連アートブック4作を含む全26点を展示。墨絵のような静謐さと、紙の繊維に溶け込む光の粒子が、観る者に「存在」と「時間」を静かに問いかける。

 

被写体は、広がる雪原、韓国の白磁、欧米の家具、そしてバービードール。風景と静物、哀愁とユーモアが静かに交差する作品群は、韓国の伝統的な手漉き紙・韓紙(ハンジ)の上で、沈黙する物たちが呼吸するかのような佇まいを見せる。

 

ナム・ジョンヒョンは、各シリーズにおいて、物、空間、記憶、そしてイメージが生み出す微細な緊張と余白を、異なる視点から捉えています。静かでありながら鮮明なイメージは、鑑賞者それぞれの感情や記憶と自然につながる体験を促す。

 

White lotus ©2014 Jonghyun Nam 

厳寒の季節、群生する蓮の茎が折れて雪に覆われた景色を撮影。10年以上前に捉えた蓮の雪原の姿は、温暖化の影響を象徴するように、最近では見る機会が少なくなったと作家は語る。

 

BARBIEシリーズは、バービーを単なる美の象徴としてではなく、子ども時代の夢や想像力を体現する存在として捉え直す作品。多様なアイデンティティへと変化を遂げながらも、「You can be anything!」というスローガンを掲げ続けてきたバービー。その姿を通して、写真家は成長と記憶、そして心の奥に残る憧れを、自身が“少年”として抱いてきた視点から描き出す。コレクターによって美しく再生されたバービードールとの出会いは、忘れかけていた夢や幼少期の温もりを呼び覚まし、大人になった私たちが手放してしまったかもしれない願いや可能性へ、そっと目を向けるきっかけを与えてくれる。

 

Audrey with lovely heart con chair Barbie series©2024 Jonghyun Nam

 

最終日、3月9日は「National Barbie Day」。バービーファンにも是非見ていただきたい写真展だ。

※毎年3月9日は、1959年の同日にニューヨークの国際玩具フェアでバービー人形がデビューしたことを記念して祝われる日。

 

  • ■Hanji + Photography 作品について 
  • 私は、風景と静物を主なモチーフに制作を続けている。
    風景写真では「時間の移ろい」を、静物写真では「存在そのものの在り方」を捉えることを意識してきた。私が一貫して向き合っているのは、被写体が本来持つ真正性である。
  •  
  • その探求のなかで、私は写真からあえて「影」を取り除くという手法を選んだ。
    光と影が生む演出を排し、余分な要素をそぎ落とすことで、被写体は輪郭や意味を超え、ただそこに在るものとして立ち現れると考えたからだ。
  •  
  • この表現を支えているのが、韓国の伝統的な手漉き紙・韓紙(Hanji)である。
    「百紙(Bakji)」とも呼ばれる韓紙は、幾重にも重なる工程を経て完成し、最後の一手は使い手に委ねられる。写真を刷る行為は、被写体と向き合い、時間を重ね、思考を巡らせる静かな対話でもある。
  •  
  • 韓紙の繊維に深く溶け込んだ写真は、墨絵を思わせる静謐な佇まいを帯び、沈黙する物たちが、観る者にそっと語りかけてくる。光によって生まれ、紙に息づく写真を通して、「見る」という行為そのものを、あらためて静かに問い直したいと思っている。
  • Jonghyun Nam

 

  • ■展覧会情報
  • 「韓国写真家 ナム・ジョンヒョンの眼差し」
  • 会期:2026年2月13日(金)〜3月9日(月)入場無料
  • 時間:11:00〜20:00(最終日は17:00まで)
  • 会場:SMP GALLERY(STYLE MEETS PEOPLE店舗内)
    所在地:東京ミッドタウン 六本木 ガレリア3F
  • TEL:03-5413-3705

 

■プロフィール

Jonghyun Nam(ナム・ジョンヒョン)

韓国・ソウル在住。
1993年、シドニー国際写真展(オーストラリア)にてグランプリを受賞。2001年に英国で初個展を開催。以降、ソウルを拠点に日本・韓国を中心として個展・グループ展を重ねる。韓国のギャラリーや美術館、寺院空間での展示に加え、アートフェアや国際的な文化交流展にも参加。近年はヴェネツィア(イタリア)、ジャカルタ(インドネシア)など、海外での展示も行っている。

 

【関連リンク】

https://smp-gallery.com/blogs/exhibition/jonghyun-nam-photo-exhibition

展覧会概要

出展者 ナム・ジョンヒョン
会期 2026年2月13日(金)〜3月9日(月)

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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