写真家・服部恭平の最新の写真集『Bacon(バコン)』が刊行された。
服部が使用する中判カメラのシャッター音から着想を得て本書は名づけられた。シャッター音は写真には現像されず、あることが当たり前のような存在が、ないとどこか不自然に感じられる、必要不可欠なもの。そんなタイトルと同様に、本作を通じて服部は、ついつい見過ごされがちな日常の瞬間を丁寧にすくい上げ、一見何の変哲もない日常の豊かさ、美しさをつぶさに見つめる。ありふれたもの、普遍的なものを改めて見つめ、そこから大切なこととは何かを再考し、探求するきっかけを与えてくれる一冊だ。
ステートメント
服部恭平の写真は「シネマティック」である。
珠玉の映画作品のうちには、被写体や脚本に還元されえない、イメージの世界が広がっている。
服部が展開する世界は、イメージにとってのユートピアである。
そこにおいてイメージは、人間の言語には隷属せず、独自の言葉を喋る。
イメージたちは、シンプルな色彩 — 赤、青、黄、緑 — を文法に据えながら、無限に多くの言葉を喋る。
服部は、イメージの言語を聞き取ることができる、稀有な写真家である。
■プロフィール
服部恭平(はっとり・きょうへい)
1991年、大阪府生まれ。2013年に上京し、モデルとして東京やパリといった世界各国のランウェイショーや国内外のファッション誌で活躍。その傍ら、プライベートなライフワークでもあった写真作品が注目を集め、2018年から写真家として本格的に始動。フィルム特有のパーソナルな雰囲気を持ち味にファッション写真やポートレートで活躍。さらにはキャリアの中で築いてきた彼ならではのコミュニティを活かし、国内外のファッション誌やブランドのシーズンビジュアルなどを多く手掛けている。2020年には写真集「2019-2020」を刊行。発売に合わせて原宿のBOOKMARCと伊勢丹新宿店にて写真展を実施。
- 服部恭平 『Bacon』
発売日:2024年4月5日
サイズ:A4変形 (W210mm×H280mm)
ページ:124ページ
製本:ソフトカバー- 印刷:サンエムカラー
- 価格:4,950円(税込)
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