top 本と展示写真集紹介長沢慎一郎『Mary Had a Little Lamb』

長沢慎一郎『Mary Had a Little Lamb』

2024/12/12
髙橋義隆

長沢慎一郎『Mary Had a Little Lamb』が発行された。
 
前作、小笠原諸島父島の欧米系島民のアイデンティティーを撮影した『The Bonin Islanders』の続編であり、戦後23年間に及ぶ米軍占領時代の父島での出来事をおさめた作品集。タイトルの『Mary Had a Little Lamb』は、占領時代の父島に配備されていた核弾頭に与えられた総称である。
 
父島の占領時代は23年に及び、その間、米軍とその家族、そして父島に入植した欧米系島民(The Bonin Islanders)しか住むことができず、「失われた23年」といわれている。当時島で何が起きていたかを知ることはできない。唯一の手がかりは、島での生活が許された彼らの記憶のみである。父島の核弾頭配備は米国防総省の資料と、当時を知る彼らの記憶から導き出された。
 
『The Bonin Islanders』『Mary Had a Little Lamb』知られざる父島の過去の記憶を未来につないでいくSocial Documentaryである。

 

  • 長沢慎一郎『Mary Had a Little Lamb』
    発行日:2024年10月6日
  • 発行:赤々舎
    寄稿:デイビッド・オド、田根 剛
    アートディレクション・デザイン:林 規章
    価格:6,600円(税込)

 

【関連リンク】
https://shinichiro-nagasawa.stores.jp/items/6704e8f4bfa287002b703cd2

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