top 本と展示展覧会ピックアップ嶋田篤人写真展「そこ一里」金柑画廊

嶋田篤人写真展「そこ一里」金柑画廊

2022/05/14

嶋田篤人写真展 「そこ一里」が、5月14日(土)から6月5日(日)まで金柑画廊で開催される。

2021年にリコーイメージングスクエアで開催された同タイトルシリーズの新作展示となる。

 

  • 嶋田篤人は作家活動を始めて間もない頃から、同じレンズとフィルムを使い、房総半島で撮影した作品を制作し続けています。現像からプリントまで自身の手で行い、継続可能な同じフォーマットを選び、発見と鍛錬と構築を繰り返す。彼の制作姿勢はとても写真的でありながら、俳句や短歌のそれに近くも思えてきます。一見姿の変わらぬ房総半島の景色の中に見続けていくことで見えてくる何かを求めて、彼は写真を撮り続けます。日々の些細な変化を愛でる、その行為がいとおしいことだと彼の作品に再認識させられる。今回の展示では15点ほどのモノクロプリント作品が並びます。彼の眼差しを通した風景とそのプリントの繊細な美しさと合わせて、この機会にご高覧ください。
    (金柑画廊|太田京子)

 

  • 故郷の房総半島へ繰り返し旅をする。廻る時間とともに光が微妙に移りゆく。草を踏みしめる私の意識もゆっくりと移りゆく。レンズを通して静視するこの世界は、同じように見えても本当は少しずつ変わっていく。そして目の前の光景が断片となる時、親しみ深い故郷がまるで遠い辺境のように立ち現れる。その時沸き起こる心の震えを求め、私は"そこ一里"に化かされたように房総で写真を撮り続けている。
    (房総で道のりを尋ねると「すぐそこだ」と答えるが、歩いてみると一里もあってなかなか到着しないことを、ことわざで"上総のそこ一里"と言う。)
    近いのに遠く、遠いのに近い。写真が意識を超え、世界の見え方が少しずつ変わっていく。親しみ深くも余所余所しい郷愁に心を震わせ、私はまた新しく房総と出会っていけるのかもしれない。いくら撮っても私には「まだ何か」という気がしてならない。
    (嶋田篤人)

 

嶋田篤人写真展「そこ一里」

Atsuto Shimada "Soko Ichiri"
5月14日(土)〜6月5日(日)
木・金・土・日・祝 開催
12:00〜19:00

金柑画廊

〒153-0063 東京都目黒区目黒4-26-7

03-5722-9061

https://www.kinkangallery.com/exhibitions/2179/

 

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