矢島陽介「a way of seeing」©Yosuke Yajima
東京新宿のAlt_Mediumで矢島陽介「a way of seeing」が開催される。
このシリーズは、矢島が自ら撮影した写真をモチーフに絵を描き、さらにその絵を撮影するというプロセスが中心となっている。モチーフは、絵画や写真における基礎的な対象であり、これまで矢島が繰り返し撮影してきた被写体である静物写真と、後ろ姿のポートレートで構成されている。絵は、ネガフィルムのように反転した状態で描かれたものもあり、それをフィルムで撮影することでネガ上に正しい絵が浮かび上がるという構造が生み出される。
矢島は、キャリア初期に読んだスーザンソンタグのテキスト「A Little Summa(小さな大全)」の一節が、その後の活動に影響をもたらしていると言う。
『 Photography is, first of all, a way of seeing. It is not seeing itself. 』
(まず初めに、写真は見るための手段であり、見ることそれ自体ではない)
また、同じくキャリア初期に、世界同時多発テロのニュースを見たこともその後の制作に大きな影響を与えていると言う。アメリカとイラクのニュースが飛び交う中、矢島は“表だと思っていたものが実は裏から見たら裏だった”というごく当たり前のことを改めて意識する。それは社会に対するある種の懐疑的な視点を矢島に植え付け、結果としてネガとポジの構造を介した本作の制作にも繋がっている。
矢島は本作において、フィルム写真の構造を用いながら絵画と写真の境界を探る過程を提示しつつ、見る側の認識のあいまいさを含めた今日のわたしたちを取り巻く「ものの見方」について考察することを試みている。
- ■展覧会情報
矢島陽介「a way of seeing」
会期:2024年10月25日(金)~11月5日(火)
時間:12:00〜19:00
休廊日:木曜日
会場:Alt_Medium
住所:東京都新宿区下落合2-6-3 堀内会館1F
■プロフィール
矢島陽介(やじま・ようすけ)
1981年生まれ。2009年「1_WALL」入選以来、積極的にグループ展や個展などで作品を発表。2013、14、16年にはオランダ・アムステルダムで毎年開催される「The Unseen Dummy Award」(Unseen)で入賞。また、2017年にはIMAプロジェクト主催「LUMIX MEETS BEYOND2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #5」(IMA gallery / 東京)に出展し、2015年には写真集『Ourselves / 1981』(自費出版)を刊行。
【関連リンク】
https://altmedium.jp/post/202410yajimayosuke/
出展者 | 矢島陽介 |
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会期 | 2024年10月25日(金)~11月5日(火) |
会場名 | Alt_Medium |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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