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BUG、インディペンデント・キュレーターの池田佳穂をゲストキュレーターに迎え「バグスクール2024:野性の都市」を開催

2024/10/07

池田佳穂/Kaho IKEDA

 

株式会社リクルートホールディングスが運営するBUGでは、インディペンデント・キュレーターの池田佳穂をゲストキュレーターに迎え、2024年12月18日(水)より、「バグスクール2024:野性の都市」を開催する。
 
本企画は、複数のアーティストを一挙に紹介する場として、アーティスト7名が小展示と多様なプログラムを実施する。アートセンターの可能性を開く、継続的な取り組みとして本企画を育てることを目標に、アーティストの思考や作品に触れる機会を創出する。これまでアートに触れる機会の無かった社会人や学生など、様々な方々にも楽しめる学び場だ。
 
■バグスクールとは?
「バグスクール」はグループ展と参加型プログラムを組み合わせたアートプロジェクト。アーティストと学び合うなかで作品販売も行い、有機的な作品購入体験も目指す。BUGの活動方針の一つであるキャリアの支援に基づき、作品販売経験の少ないアーティストにその機会を提供する。書類作成や、価格やサイズの検討などの制作プロセスにも関わり、キャリアの選択肢を増やせるよう支援する。作品販売による売上は、アーティスト収入分、作品配送経費等を除いた全額を「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付する。

 

■キュレーターコメント
第二回となるバグスクールでは、実験的な学び場をつくることを改めて考えます。正解を求める学校や会社ではなく、オルタナティブな「スクール」だからこそ、作品とプログラムをたよりに、多声的な視座から私たちを取り巻く社会や環境について共に考えたいと思います。
今回は手掛かりとして、あらゆるスケール感で複層的・複合的に私たちの生活に影響を及ぼす「都市」をテーマに設定し、7名のアーティストと協働して、32日間限定のアートプロジェクト「バグスクール2024:野性の都市」を開催します。
 
秩序や合理性ではなく、個の感覚と意見が行き交う学び場を強調するために、タイトルには「野性」という語をつけました。本プロジェクトでは本能やプリミティブな感覚、私的な視点を意味し、参加アーティストのユニークな野性から「都市」を捉えた新作群を展示します。さらに参加型プログラムでは、アーティストの制作の手前にある思考や感覚をひらくだけではなく、都市と何かしら接続した内容で展開し、アーティストと参加者が同じ対象を共有します。
 
そして本展ではあえて具体的な都市像を決めません。BUGのある東京駅周辺だけではなく、都市風景の隅っこや見えない気配からイメージを膨らませた作品、もしくは都市に住む生物や往来する人々に焦点を当てたアプローチがあるかもしれません。バラエティ豊かな視点から生み出された実践を体験し、表層が引き剝がされた野性の都市を一緒に見つめてみましょう。
 
※第一回と同様に、バグスクールの展示作品は基本的に購入可能です。本企画は作品購入の手前で、アーティストや作品の背景にある歴史的、政治的、社会的、文化的な文脈を理解する機会を創出し、作品売買の有機的なあり方を考える試みでもあります。       
池田佳穂/Kaho IKEDA

 

■キュレータープロフィール
池田佳穂/Kaho IKEDA
インディペンデントキュレーター
2016年より東・東南アジア中心に、土着文化や社会情勢から発展したコレクティブとDIYカルチャーを調査。主にインドネシア各地で展覧会やワークショップなどを現地アーティストと共同開催した。展覧会・パフォーミングアーツ・教育プログラムなどを複合した横断的なキュレーションに関心をもつ。森美術館でアシスタントとして経験を積み、2023年春に独立。
近年の実績は「オープンパークMINE:ストリート/どう遊ぶ?」(山中suplex別棟MINE、2023)、「Radical Guidebooks to Our Futures」(Leggy_/Dig A Hole Zines同時開催、2023、Jason Waiteと共同企画)、「バグスクール:うごかしてみる!」(BUG、2023)、「一人で行くか早く辿り着くか遠くを目指すかみんな全滅するか」(山中suplex、2024)、神戸六甲ミーツ・アート2024 beyondのキュレータ
 
■アーティスト紹介
宇田川直寛/Naohiro UTAGAWA
主に写真を用いて作品を発表。日々の生活と同時に重ねるように行われている作品制作という妙な行為に機能している法的なものに惹かれている。「どうして私は作品を作れるのか」という内省的な文言の解釈を「正しく間違える」方法で作品化している。東京を拠点に活動。中央大学法部卒。


 
黒川岳/Gaku KUROKAWA
音を奏でることや聴くこと、あるいは様々な対象に触れるといった行為・出来事についての考察を出発点として、彫刻やパフォーマンス等の作品を制作している。

https://gakukurokawa.com/
 


ちぇんしげ/CHEN Shige
1993年台湾台北生まれ。東京藝術大学美術研究科博士後期課程先端芸術表現領域在籍。絵画表現と記述表現を主軸に両者をめぐる配置方法や境界、共存、乖離を遊んでいます。最近はおトクな視覚像(情報の圧縮)や多言語社会、多言語マンガの記述方法に関心を寄せています。
https://www.chenshige.com


 
時吉あきな/Akina TOKIYOSHI
1994年大阪府生まれ、京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業。スマートフォンで撮影した対象の写真をコピー用紙に出力し、原寸大の立体コラージュとして再現する作品を制作。正確に再現しながらも、平面の写真を強制的に立体にすることで不自然な歪みや独特の表情を持つ複製物が生まれる。本物と複製物がだいたい同じだと認識できる状態をテーマとし、平面と立体、リアルとフェイクを行き来しながら、複製を繰り返すことによる表現を試みる。


 
トモトシ/tomotosi
1983年山口県出身。国立大学法人豊橋技術科学大学建設工学課程を卒業後数年にわたって建築設計・都市計画に携わる。2014年より展覧会での発表を開始。「人の動きを変容させるアクション」をテーマに主に映像作品を制作している。また2020年よりトモ都市美術館を運営し、新しい都市の使い方を提案している。


 
中田愛美里/Emiri NAKADA
東京都出身。東京藝術大学 大学院美術研究科 彫刻専攻 修了。
プロのバレリーナを目指し舞台上で役を演じる経験をもとに、セラミック、CG/映像を用いた作品を制作している。日常生活から感じられる演劇的な要素を、バレエや演劇の演目、童話などをベースとした物語に落とし込む。空洞なセラミックと役の入れ物としての空虚な人間たちを重ね合わせ、ひとの在り方を模索する。


 
平松可南子/Kanako HIRAMATSU
1997年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究室修了。
アリが砂を積む行為や雨のたびに変化する水たまり、噴射しながら重力で形を保っている噴水など、ものが繰り返しあらわれ、変化してゆく現象をモチーフとして描いている。それらのものや事象は、境界線が曖昧で正面性を持っていない。絵と正対した鑑賞だけでなく、展示という状況を含めた絵画表現を模索している。
https://www.instagram.com/kanako_hiramatsu_works/


 
■参加型プログラム/関連イベント
出展アーティストによる参加型プログラムを会期中に開催する。展示作品と地続きのパフォーマンスや、手先を動かしながらアーティストの制作背景を体験できるワークショップなど多彩なプログラム群です。各プログラムでは「ラーニング」(Learning)の視点を入れ、異なる背景を持つ人々が双方的なコミュニケーションのなかで、気づきや学びが得られる実践が生まれることを目指す。
 
■作品購入
会期中、展示作品を販売する(一部除く)。売上は、アーティスト収入分、作品配送経費等を除く収益金を、セーブ・ザ・チルドレンに寄付し、今と未来を担う子どもたちの支援のために役立てる。また、アーティストによる「参加型プログラム」を通じて、鑑賞者がアーティストや作品の背景について知った上で作品購入をすることができる。
 
【関連リンク】
https://bug.art/exhibition/bugschool-2024/

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