黒木麻恵『中田島砂丘』が刊行された。
静岡県浜松市にある中田島砂丘を撮影した本シリーズ。比較的小さな砂丘ながら、砂地のみでなく緑豊かな一帯や海辺の景色など、さまざまな表情を持つこの場所に魅せられた黒木氏は、2004年の初訪問以来16年に渡り撮影を続けてきた。
現場で感じた畏怖の念にも似た印象を表現するために時間を探して見つけた手法は、ウジェーヌ・アジェらが用いたことでも知られる古典技法の鶏卵紙だ。
モノクロやセピアとも異なる独特の風合いにより、砂丘の壮大さともの寂しさを帯びたイメージが堪能できる。
浜松駅前にある周辺地図でその存在を知り、初めて中田島砂丘を訪れたのは2004年のことです。
強い風が吹き、砂地を歩くことは想像以上に体力を奪いました。
美しいけれど、決して居心地が良いわけではありません。しかしその後、度々訪れることになります。
なぜ何度も訪れることになったのか。
行く度に写真を仕上げても、納得のいくものが出来なかったからです。
畏れさえ感じる美しいその場所での記憶を、なんとしても再現したかったのです。
プリント技法には鶏卵紙を選びました。
やっと記憶を再現することができました。
これは私が見た、中田島砂丘での16年間の記憶です。
黒木麻恵『中田島砂丘』
仕様:215×225mm、並製本、カラー印刷、90ページ
販売価格:3,850円(税込)
初版300部限定
【関連リンク】
https://www.monography.shop/product/-/957?cs=true&cst=custom
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