小林紀晴はデビュー作『アジアン・ジャパニーズ』以来、写真とあわせて文章も書き続け、写真に関わるエッセイに限らず、小説やノンフィクションなどその範囲は多岐にわたる。
今回刊行される『写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論』は、意外にも初の本格的な写真論となる。これまで写真を撮りつつ言葉を紡いできた小林が、どのように写真を論じるのか、興味深い1冊となっている。
- 「写真に携わるようになって30年以上の時間が経った。(中略)
本書では、「撮る者」として、長く写真に関わってきた体験から生まれたことを中心により具体的に語っていきたい。さらに写真教育に携わるようになって感じたことについても触れたい。
これから写真を始めようとしている人、すでに趣味で写真を撮っている人、現在写真を勉強している人、さらにはプロを目指している人など、写真に興味を持ちながらも、写真が「わからない」と思っている人たちに何かしらのヒントを得るものだったり、手助けになるものであることを願っている。(「はじめに」より)」- 発売日:2022年4月13日
定価:1,078円(税込)
光文社刊
目次
序章 「いい写真」とは
第1章 世界は「撮り尽くされた」か
第2章 カメラとの付き合い方
第3章 「写真を撮る者」の条件
第4章 写真は「窓」か「鏡」か
第5章 人物をどう撮るか
第6章 風景を読む
第7章 過去を撮る
第8章 時代と写真
第9章 写真に答えはない
終章 写真はなぜ「わからない」のか
【著者紹介】
小林紀晴(こばやしきせい)
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社カメラマンを経て、91年に独立。アジアを旅しながら作品を制作する。97年、『DAYS ASIA』で日本写真協会賞新人賞を受賞。2013年、写真展「遠くから来た舟」で第22回林忠彦賞を受賞。写真集に、『孵化する夜の啼き声』(赤々舎)など。著書に『ASIA ROAD』(講談社文庫)、『父の感触』(文藝春秋)、『愛のかたち』(河出文庫)など。初監督映画作品に『トオイと正人』がある。東京工芸大学芸術学部写真学科教授。
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