top ニュースピックアップ2024年「T3」が進化を遂げた!写真祭「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」に加え「T3 PHOTO ASIA」「T3 NEW TALENT」が新たにスタート

2024年「T3」が進化を遂げた!写真祭「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」に加え「T3 PHOTO ASIA」「T3 NEW TALENT」が新たにスタート

2024/09/09

T3は、フェスティバル、フェア、育成事業からなる包括的な写真プロジェクト。


東京という都市を舞台に、アーティストに国際的な作品発表と制作の場を提供する写真祭「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」。アジアにおけるアートフォトのマーケットとして新たにスタートする「T3 PHOTO ASIA」。そしてフェスティバルとフェアという環境をクロスオーバーしながら新たな才能を育てていくプログラム「T3 NEW TALENT」。それらを通じて作家やアートワーカーたちの活動が広がり、次の世代へと文化が繋がれていく場を目指す。

 

  • 「T3」という名称は、アメリカの社会学者リチャード・フロリダが著書『クリエイティブ資本論』で提唱した都市の繁栄に不可欠な3つのT(技術、才能、寛容性)の概念に由来しています。「T3」はその本質を体現し、アーティストと地域の協力によって形作られるプラットフォームです。新たな表現が生まれる場であり、都市についての新たな洞察を提供し、多様性と寛容性を祝い育む場となること。それが、「T3」の根底にある基本理念です。

 

今年で6回目を迎える「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」は、アジアの写真文化を発展させるプラットフォーム「T3」として企画を拡大し、100名以上の作家が参加する写真プロジェクトとして東京・八重洲、日本橋、京橋エリアで、2024年10月5日(土)から27日(日)に開催する。
 
期間中は世界の写真動向と日本写真にまつわる文化の共有を実現すべく、サンフランシスコやニューヨークMoMAのキュレーターをはじめ、国際的なアートワールドで活躍する方々を海外から招聘して、様々なトークイベントも開催する予定。

 

  • (1)T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2024
  • 「New Japanese Photography: 50 years on」
  • 1974年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された「New Japanese Photography」展。MoMA写真部門のディレクターを務めたジョン・シャーカフスキーと、カメラ毎日編集長の山岸章二の2人がキュレーターを務め、曰く「日本国外で行われた現代の日本写真に関する最初の大規模な調査」は、海外におけるその後の「日本写真」の評価や研究に長く大きな影響を与えた写真展として知られている。同展から50年。「New Japanese Photography」を軸に、現代において大きく変化し広がりを見せる「写真」に新たな光を当ててみたいと考えた企画展だ。
  •  
  • 期間:2024年10月5日(土)〜27日(日)
    開催エリア:東京・八重洲、日本橋、京橋エリアの屋内、屋外会場
    主催:一般社団法人TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
    主管:株式会社シー・エム・エス
    企画:T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO実行委員会
    助成:令和6年度 文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業
    https://t3photo.tokyo/festival-2024

 

■プログラム

「NEW JAPANESE PHOTOGRAPHY 1974→2024」キュレーション:調 文明
「NEW JAPANESE PHOTOGRAPHY 1974→2024」は、「New Japanese Photography」 が開催された1974年から50年の節目を迎える2024年に、「50年後のNew Japanese Photography」としてこの半世紀のなかで起こった様々な変化を踏まえたうえで「今」を体現する作家7名を選出した展覧会となる。「New Japanese Photography」の言葉がとらえる射程は50年という歳月のなかで着実に変容を遂げており、本展はその有り様を示すまたとない機会となることだろう。そして、それはまた1974年の同展に対するひとつの応答にもなっているのではないだろうか。

 

「Alternative Visions: A Female Perspective / The Wall vs the Page」キュレーション:マーク・フューステル
1974年の「New Japanese Photography」で見過ごされた2つの視点に着目する。1つ目は、女性の視点。同展には15人の写真家が選ばれましたが、その中に女性写真家は一人も含まれていなかった。本展ではその時期に活動していた女性作家が制作した重要な作品群から、当時ありえた別の展示の姿を提示する。2つ目が、「写真集」の存在。山岸章二は「日本の写真は主に書籍のために作られていた」としつつも、1974年の展示では写真集は1冊のみで、残りはプリントによって構成された。本展は、現代における写真集の重要性と多様性を示し、写真を見る体験が「ページと壁」とでどう異なるかを提示する。

 

「その「男らしさ」はどこからきたの?」キュレーション:小林 美香
「New Japanese Photography」展は、企画者・出展作家ともに男性のみによって構成された。本展覧会は、写真のコミュニティのみならず、メディアや日本社会全体に通底する男性中心主義的価値観・ホモソーシャル性に焦点を合わせ、写真作品や映像作品、広告や広報など公共のイメージに表象される男性のイメージを通して、ジェンダーにまつわる規範的な価値観の中でも、とくに「男らしさ」とは何かを戦後社会の変遷に照らし、批評的な観点から検証syry。個人所蔵のスクラップブックやポストカード、雑誌や書籍などを通覧する資料展示も行う。

 

  • (2)T3 PHOTO ASIA
    アジアを拠点とするギャラリーが集まり、各国で注目を集めるアーティストによる写真作品を次世代の視点から多角的に紹介するフォトフェア。
  •  
  • 独自の視点と文化的背景が融合した表現から育まれてきたアジアの芸術写真は、アイデンティティ、記憶、世界の概念を再定義することで、アジア大陸全体の写真表現の多様性と豊かさを明示してきた。近年では、アジア独自の文脈の中で相承と革新がなされるだけでなく、伝統的な芸術要素と現代的な技法が融合し、地域的にも国際的にも共鳴する作品が生まれ、世界の芸術写真シーンに大きく貢献している。

  • 一方、デジタル技術に特徴づけられる時代、ソーシャルメディアプラットフォームでは、自己表現や個人のストーリーが重要視され、芸術写真の世界では、従来のバイナリーを超えた多様かつ包摂性をもった表現により観客との共感を生む力強い作品が生まれている。これらの動向は、芸術写真が単なる視覚的美しさや文化的境界をこえ、社会的な意識や個人的な表現を豊かにする重要な手段であることを示している。このことを今この時代にあらためて伝え、育てていくことは、未知の写真、写真文化の深化に繋がるはずだ。その名を冠する通り、T3 PHOTO ASIAは、アジアの地をハブとして写真に纏わるこれまでの、そしてこれからの物語を紡ぎ出していきたいと希求してスタートする。
     
    期間:2024年2024年10月19日(土)〜21日(月)
    会場:東京ミッドタウン八重洲 4F、5F(東京都中央区八重洲2-2-1)入場料:前売  1,500円 / 一般  2,000円
    主催:一般社団法人TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
    主管:株式会社シー・エム・エス
    助成:令和6年度 文化庁 我が国アートのグローバル展開推進事業
    https://t3photo.asia

 

■出展ギャラリー

GALLERY YEH(ソウル)
KANA KAWANISHI GALLERY(東京)
MEM(東京)
MISA SHIN GALLERY(東京)
PGI(東京)
POETIC SCAPE(東京)
Primary Practice(ソウル)
Sahngup gallery(ソウル)
SPACE WILLING N DEALING(ソウル)
Taka Ishii Gallery Photography / Film(東京)
The Third Gallery Aya(大阪)
Tomio Koyama Gallery(東京)
Yumiko Chiba Associates(東京)
ZEN FOTO GALLERY(東京)

 

  • (3)T3 NEW TALENT
  • ※詳細近日公開
    これまでもT3は国内の美大・専門学校で写真を学ぶ学生を対象に「学生プロジェクト」を開催し、若い才能への機会提供を行ってきた。本年より、写真フェスティバルとアートフェアという2つの場を活かし、その対象を中堅作家やキュレーター・批評家等にも拡大した新たなプロジェクトをスタートしていく。

 

■参加校

大阪芸術大学/京都芸術大学/桑沢デザイン研究所/女子美術大学/専門学校大阪ビジュアルアーツ・アカデミー/専門学校東京ビジュアルアーツ・アカデミー/多摩美術大学/東京藝術大学/東京工芸大学/東京綜合写真専門学校/東京造形大学/日本写真映像専門学校/日本写真芸術専門学校/日本大学 芸術学部/武蔵野美術大学/ロンドン芸術大学

 

T3 ファウンダー/速水 惟広


写真雑誌編集長やギャラリーディレクターを経て、2017年に上野公園にて東京で初となる屋外型国際写真祭「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」を開催。その後、2020年より東京駅東側エリアに舞台を移す。これまでに手掛けた主な企画展に「態度が<写真>になるならば」(共同キュレーター マーク・フューステル 2023)、「The Everyday -魚が水について学ぶ方法-」(共同キュレーター きりとりめでる、2022)ほか。海外の国際写真祭やアワードにおける審査員など多数。日本大学芸術学部写真学科非常勤講師。
 
【関連リンク】
https://t3photo.tokyo

関連記事

PCT Members

PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。

特典1「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
特典2書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント
今後もさらに充実したサービスを拡充予定! PCT Membersに登録する