筑摩書房より、後藤繁雄『現代写真とは何だろう』が刊行された。
「真実」を「写しとる」と書いて「写真」。しかし、テクノロジーの進化により精巧なAI画像が氾濫し、これまでの「写真」の位置づけが流動化している。もはや既存の知識や古い思考では、「現代写真」をとらえられない。写真にしかできないことを理解しない限り、コンテンポラリーアートとしての写真の魅力を語ることはできないだろう。だが、それはいったい何なのか──。90年代以降、国内外で写真展をプロデュースしてきた著者が、W・エグルストン、N・ゴールディン、ホンマタカシ、杉本博司、W・ティルマンスなど現代写真の疾走者へのインタビューを交えながら、最先端の写真表現を読み解く待望の新・写真論。
【目次】
序章 これは「写真」なの?
第1章 進化するパイオニアたち――ウィリアム・エグルストン
第2章 「現代写真の起源の証人」――スティーブン・ショア
第3章 写真のジレンマ―世界的に再評価がすすむ『provoke』
第4章 アフター『決闘写真論』――中平卓馬と篠山紀信
第5章 「TOKYO LOVE」1994→2024―荒木経惟とナン・ゴールディンの変成
第6章 ホンマタカシとの対話
第7章 喜びの写真へ――上田義彦とロバート・メイプルソープ
第8章 新世界で写真を撮るということ―ヴォルフガング・ティルマンス
第9章 杉本博司 「写真の世紀末」から、江之浦測候所へ
第10章 志賀理江子の写真が、問い続けること
第11章 WOMAN in the PHOTOGRAPHS
第12章 写真のブラックネス――ザネレ・ムホリ
第13章 ニューネイチャー・フォトグラフィ
第14章 抽象と物質――横田大輔と5人の写真家
第15章 来るべき写真をめぐって――ヴィヴィアン・サッセン
第16章 VRやAIの登場に対して現代写真はどこに向かっているのか?
あとがき 「ポスト/フォト」に向かってリシンクし続けよう
来るべき写真のためのブックリスト
■プロフィール
後藤 繁雄(ごとう・しげお)
1954年、大阪府生まれ。編集者/クリエイティブディレクター。京都芸術大学教授。80年代より編集者、アートプロデューサーとして時代に一石を投じる数々の企画に携わり、現代アートにおいて最先端の活動を続けてきた。なかでも「現代写真」については並ぶ者がないほどに精通し、多くの才能を見出してきた。主な著書に、『現代写真』(リトル・モア)、『独特老人』(ちくま文庫)、『skmt』(坂本龍一との共著、ちくま文庫)、『超写真論』(篠山紀信との共著、小学館)がある。
- 後藤繁雄『現代写真とは何だろう』
出版社:筑摩書房
発売日:2024年8月8日
言語:日本語
仕様:新書、173×105×10mm、384ページ
価格:1,320円(税込)
【関連リンク】
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480076427/
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