清岡惣一「都会風景」©Soichi Kiyooka
東京千代田のJCIIフォトサロンで清岡惣一の世界「都会風景」が開催される。
戦前から写真愛好家であった清岡惣一(1915〜1991)は、戦後にコマーシャル写真に携わった後1964年にフリーランスの写真家となった。1965年から晩年まで旭光学工業株式会社(現・リコーイメージング)の広報用写真に携わり、傍ら、作家、指導者として東京写真研究会やカメラ誌などで長きにわたり活躍した。
本展では、多彩なレンズワークと技法、暗室でのプリント作業を駆使して独自の世界観を作り出す清岡が、1965年から1986年に撮影した都会風景58点(すべてモノクロ)を展示する。
栃木県の日光や高知県の竜串など自然の風景を造形的に捉えた作品で知られる清岡だが、残されたヴィンテージ・プリントとネガを調査すると、新宿や丸の内などの都市の風景も数多く撮影していることが分かる。しかし、カメラ誌の技法解説の作例として使用しているほかに、作品として発表されているものはごくわずかで、あまり知られていない。
立ち並ぶ高層ビルや無機質な人工物のなかにある直線や曲線、光と影、反射や写りこみ、そして人間。「自分の好きなモチーフや、作画しようと思うテーマをはっきりときめておけば、撮影の構想、被写体の発見、作画のテクニックなどが自然にきまります。スナップ、風景、造形、ドキュメントなものなど、何でも良いのです。自分の考えがきまっていますと、どんな時でもそれが頭の中に浮んできて、次から次へとアイデアが考えられます。」(「白い風景」『ペンタックスファミリー26号』1974年8月)と語るように、都市をかたちづくるすべてのものが、清岡の研ぎ澄まされた感性と卓越した技術によって写真に表現されている。カメラのメカニズムとフィルムのケミカルを極めた清岡惣一の世界が体感できる都会風景が楽しめる展示となりそうだ。
- ■展覧会情報
清岡惣一の世界「都会風景」
会期:2024年9月3日(火)~9月29日(日)
時間:10:00~17:00
休廊日:毎週月曜日(祝・祭日の場合は開館)
会場:JCIIフォトサロン
住所:東京都千代田区一番町25番地 JCIIビル
■プロフィール
清岡惣一(きよおか・そういち)
1915年6月3日、高知県高知市に生まれる。1933年、高知県立高知工業高等学校・電機科卒業。1934年に上京し、東洋通信機(株)に入社。1936年、パーレット同人会に入会。1941年、戦時整理によりパーレット同人会が併合された東京写真研究会に入会。1945年、東洋通信機(株)を退社し、コマーシャルフォトに従事。1951年、(株)東京商業写真に入社。1964年、同社を退社し、フリーランスカメラマンとして「桂フォト」を設立。1965年から晩年まで、旭光学工業(株)の製品写真、ペンタックスギャラリーの催事記録などに携わる。1965年、東京写真研究会指導員となる。1971年、東京写真研究会・同人に推挙され、「研展」審査員となる。1991年、11月28日逝去(享年76)。
【関連リンク】
https://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/2024/07/10/35599/
出展者 | 清岡惣一 |
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会期 | 2024年9月3日(火)~9月29日(日) |
会場名 | JCIIフォトサロン |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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