マーク・コーエン『Groundworks』がスーパーラボから刊行された。
この写真集に掲載されている写真のほとんどは、この10年間に撮ったものだ。
どんな被写体を選ぶかという先入観を持たずに、いつもと同じように街を歩いて撮影した。一度に一枚ずつ。それぞれがそれ自体で完結している。 40年前、私は同じ方法で、同じ手法で、非常に速く、自然発生的なイメージをカメラに取り込み、フィルムに着地させた。1970年代に撮影されたいくつかのこれらの写真は、静物写真を撮りたいという私の初期衝動を説明する手段として含まれている。 キャベツの葉の上に雪が積もっているような、奇妙な判じ絵もよくある。写真の可能性は、ほとんど無意識のうちに決めなければならなかった。だから私はスナップし、暗室で初めてネガでそれを見た。
それらはすべてシャープではないし、ファインダーを覗いて撮ったものでもない。
それは偶発的で自動的なものであり、男や食べ物のかけらや紙くずを見たら、それを拾い上げてメモとしてカメラに入れたくなるように、いそいそと素早く撮影されたものだ。
そうすることで、これらの写真はフィルムの現像後に初めて発見される。 まず、それぞれのネガを16x20インチのプリントにした。そのプリントには、歩道や縁石の近くで小さなパンの皮にくっついて眠るというアイデアをしっかりと定着させるのに役立つ要素の粒と構図が浮かび上がってきた。
他に何が起こったかというと、ホームレスの人たちの数少ない写真の間に、彼らの生活とその間にある静物や風景があることだ。
それは、宇宙から見た現代のグローバルな視点よりも、より詳細で主観的な表層のカタログである。
- Mark Cohen『Groundworks』
- 発行:スーパーラボ
- 発行年:2024年
- 仕様:220×290mm、88ページ、70イメージ、並製本(三つ目綴じ)、白黒オフセット印刷
- 部数:初版800部
- 価格:6,300円
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