井田宗秀『EXPRESSWAY』が刊行された。あわせて2024年6月に恵比寿のALにて展示も行われた。
感覚の再現、意識と無意識の往来
まるで飛行してるかのような高度。人々の表情が視界から消える独特の視点や生活との距離感。都市の表裏を行き来する道。そして、時速100 kmで流れて行く風景。そんな高速道路を走る時の動的感覚・非日常感、漠然と感じていた「何か」を写真にする試みを行った。高速走行中の車窓では、平均1秒以下のシャッターチャンスが絶え間なく押し寄せる。思考作業など挟む隙はなく、ほとんどは無意識的な反射神経での撮影となった。しかしすべての写真が無意識というわけではない。意識が追いつくか否かは被写体との相対速度で決まるようだ。結果的に私の「意識と無意識」の往来や、「意識と無意識の重なり」の記録にもなった。多くの人々に存在するであろう「EXPRESSWAY」の記憶、少しでも共感を得ることができたなら幸いである。
井田宗秀(写真集『EXPRESSWAY』あとがきより)
■プロフィール
井田宗秀(いだ・むねひで)
1978年東京都生まれ
12歳より写真に興味を抱き独学で学ぶ。日本大学生物資源科学部卒業。イメージスタジオ109勤務、写真家管洋志師事後、2003年独立。多くのクライアントワーク撮影を手がける傍ら、積極的に作品発表を行う。主なテーマは「広義的な人の行いとその環境」「感覚の視覚化」。(公社)日本写真家協会会員
井田宗秀『EXPRESSWAY』
仕様:A4変形、カラー、112ページ、コデックス製本
定価:7,700円(税込)
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