写真家・横谷宣が東西ヨーロッパ、南米、インド、エジプト、アフリカ、ロシア、中東、中国を旅し、難民キャンプや戦場、砂漠や雪山、地の果てのような修道院などを訪れ撮影した『黙想録』。 自作の印画紙で唯一無二の世界観を表現してきた横谷だが、写真資材の入手が困難になったこともあり、新たなプリントができなくなった。そのため、ほとんどが1枚しか残っていない現存のプリントから写真集を制作する決意をしたという。
■出版社コメント
写真家・横谷宣氏の『黙想録』は、百年後も変わらない姿でこの世にあり続けるであろう、“オブジェ”のような佇まいをした重厚な作品集。約4年の歳月をかけてついに完成です。
『黙想録』は、世間的には全く無名の写真家・横谷宣が独特な美意識に基づいて製作した「作品集」です。レンズのみならず現像液や印画紙まですべて手作りして生み出された作品の数々は、2009年にgallery bauhaus(東京・御茶ノ水)にて「黙想録」と題して発表されましたが、SNSが普及していないこの時期、絵画のようにも見える横谷氏の作品群は口コミによって評価が広まり、ほとんどの作品が売り切れになりました。2013年には同所で2回目の写真展「森話」も開催。こちらも大盛況のうちに幕を閉じています。
本書に収録された作品は「黙想録」と「森話」で発表されたものから選ばれていますが、作品集というまとまった形で個々の写真をつぶさに眺めてみると、写真展では目に映っていなかったディテール、あるいは、生じることがなかった感情がまだ残っていたことに気付くはずです。開く度に深く飽和してゆく。
本書の特長はそんなところにもあるかもしれません。
■プロフィール
横谷 宣(よこたに・せん)
1961年岡山県生まれ。1984年大学中退後、スタジオマン、フリーアシスタントとしてカメラマンのアシスタントを務める。1988年より広告や雑誌の撮影を手掛け、1990年渡仏。題材を模索し東西ヨーロッパ、南米、インド、アフリカ等の砂漠や雪山、遺跡や難民キャンプを旅する。1993~95年、パリからエジプト、中東、ロシア、中国を経て帰国。1996年に帰国後、知人から一軒家を借り暗室を作る。1997年、カンボジア、ベトナム、ラオス等を撮影旅行。2008年、岡山に拠点を移す。
2009年 個展「黙想録」 gallery Bauhaus(作品販売数ギャラリー最多記録を達成)
2013年 個展「森話」 gallery bauhaus
2024年 写真集『黙想録』(書肆みなもと)
- 横谷 宣 写真集『黙想録』
出版プロデュース:田中真知・尾崎靖
デザイン:三村漢(niwa no niwa)- 発行:書肆みなもと
- 発行日:2024年5月24日
- 仕様:B5判変形・80ページ
部数:1,000部(限定)- 定価:6,800円(税別)
【関連リンク】
https://shosi-minamoto.com
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