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第2回「BUG Art Award」ファイナリスト6名が決定

2024/07/07

新井毱子「Scapegoat」

 

株式会社リクルートホールディングスが運営するBUGは、第2回BUG Art Awardの一次審査と二次審査を通過した6名のファイナリストによるグループ展を開催する。10月8日(火)にはグランプリを選出するための公開最終審査を行い、グランプリ1名を決定する。グランプリ受賞者には、設営撤去をあわせた作品制作費上限300万円と別途アーティストフィーを支給し、約1年後にはBUGにて個展を開催する。
 
BUG Art Awardは、制作活動年数10年以下のアーティストを対象に株式会社リクルートホールディングスが運営するアワードだ。審査員からのフィードバックの提供や、展示・設営に関する相談会の開催などのサポートを行い、審査にまつわる過程でアーティストの成長を支援する。新しい表現に挑戦したい、アーティストとしてキャリアを築きたいという想いを応援したいと考えている。
 
ファイナリスト6名は話し合いによって展示位置を決め、BUGの空間を使って展示・設営のシミュレーションなどを行いながら、最終の展示プランを決定していく。応募総数265件から選出された6名のファイナリストによる展覧会だ。
 

■ファイナリストから提出された展示プランに関するコメント(五十音順)
新井毱子「Scapegoat」


AI画像生成によって生まれたテクノロジーにおける新たな妖怪「Entity」(実体を意味する)。生成と生殖をオーバーラップさせながら、様々な手法によるイメージの大量の複製、編集の過程によって生成されたEntityはオリジナリティが曖昧になっている。類似と差異の基準はどこにあるのか。分類/カテゴリーの解体や、著作権などの法制度との衝突と回避から、生成物ひいては人間における曖昧な類似と差異について探っている。

タイトル 「Scapegoat」 メディアアート/彫刻/映像


 
岩瀬海「SRSシリーズ」


ジェンダーやセクシュアリティをテーマに彫刻作品の制作を行っています。生皮や人毛、木、石膏、鉄、FRPといった様々な素材を使って作品を作ることが多いです。SRSシリーズは、既存の法制度を出発点に、この国は何をもってして個人の性別を決定しているのか、そんなことを考えながら制作した作品です。医療や法制度から、当事者の置かれた暴力的でありながらもどこか儚く、緊迫したアンビバレントな状況を示唆しています。

タイトル「SRSシリーズ」 彫刻


 
志村翔太「モビル文学 東京ボーイズアンドガールズ」


「モビル文学」シリーズは自転車を使った移動並びに投影技術を文学表現と融合させることを目指し、映像装置に改造した自転車を用いて作品発表場所を舞台に執筆した小説をキャンバスとしての街に描き出す連作です。本作「モビル文学 東京ボーイズアンドガールズ」では、BUG周辺の有楽町・銀座・日本橋を舞台に執筆した小説三作を映像として編集し、それぞれの街をサイクリングしながらテキストを投影した様子を展示します。

タイトル「モビル文学 東京ボーイズアンドガールズ」 メディアアート/映像/文学


 
城間雄一「ある座」


絵画という表現を使い人と人を取り巻く様々な関係性のあり方を、存在のようなものが立ち上がるように制作している。近年ではモチーフとそれが置かれている場に興味を持ち、その曖昧な繋がりを解体したりまたそれを接合したりして絵画空間の研究をしている。一度解体された私たちの情報を少しずつ間違えてパズルのようにはめ直し、違和感を持った一つの塊として絵画の中に表現しようと試みたりもしている。

タイトル「ある座」 絵画


 
宮林妃奈子「あいだの手」


粗い目の麻布や細やかな綿布、木や紙ひとつひとつの肌理などを「受け止めてくれる手」として絵を描く。自分が手を伸ばし、絵の中に触れ描いているかと思えば、「受け止めてくれる手」は私のほうまでやってきて、私を受容して解放する。そうして、私たちの手は行き来する。
絵と向き合うとき、私たちの周りには空気や広がりがあることを忘れない。身体的な距離はジェスチャーでもなく、温度や湿度を持った空間とともに存在している。

タイトル「あいだの手」 絵画/ドローイング/インスタレーション


 
矢野憩啓「see-through」


①作者の属性やそれに関するモチーフ/出会ったものを描いた絵画作品と ②自立した展示空間 ③展示に使われる単語を説明する"単語帳"の3つから構成される展示となります。
絵画は作者に付属する属性と出会ったモチーフの輪郭を曖昧にし、単語帳はそのモチーフ・属性・カテゴリーに貼られる単語や言葉の意味を浮遊させる。自身で組み立てた展示空間は、その浮遊した絵画と言語が、漂うように、また自由に出入りできるように組み立てられる。

タイトル「see-through」 絵画/ドローイング/インスタレーション

 

 

  • ◾️第2回BUG Art Award ファイナリスト展
  • <ファイナリスト>
  • 新井毬子、岩瀬海、志村翔太、城間雄一、宮林妃奈子、矢野憩啓
  • <会期>
  • 2024年9月25日(水)〜2024年10月20日(日) 
  • 11:00〜19:00 火曜休館 入場無料
  • <主催>
  • BUG
  • 〒100-6601 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー1F

 

【関連リンク】

https://bug.art/award/bug-art-award-2/

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