山下恒夫『南島記』が刊行された。
沖縄の八重山諸島に浮かぶ小さな島と小さな集落で2013年から2023年にかけて撮影した写真です。どちらの地域も住んでいる人の数は50人ほど。そこには信号や横断歩道もなければ食料品を買える店もありません。民宿や観光客相手の店を営む以外にはこれといった産業もなく、目の前の海で魚を獲ったり小さな畑で野菜を作ったり、猟の期間には山でイノシシを獲ったりして半自給自足的な暮らしをしています。それでもここに住む人たちは大都会東京に住む私などよりはるかに豊かな暮らしをしていると感じます。
島の人は言います。「なにもないけどなんでもあるさ。」
敬愛する沖縄の写真家平敷兼七さんが亡くなる二日前に遺した言葉があります。
「人生の結論は身近にあり。
身辺の人物たち 身辺のものたち
それらを感じることができるかが問題なのだ。」
島の日々は様々な行事こそあれ淡々と過ぎてゆきます。
取るに足らない事と思ってしまいがちなことも撮る意味があると思っています。
─山下恒夫
山下恒夫『南島記』
出版社:リバーサイドブックス
発売日:2024年4月20日
言語:日本語
大型本:96ページ
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