レイヤーを⽤いた⼿法で、時間や存在のゆらぎを提⽰した作品を制作し、注⽬を集めているアーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)が4月6日(水)より伊勢丹新宿店で初のエキシビションを開催する。
イベントタイトルにもなっている「Naturalized Species」をテーマに、帰化植物などの生物をモチーフとして新たに制作された作品を含む圧巻のラインアップとなっている。
また、会期に先駆けて4月1日(金)より伊勢丹新宿店の周壁にあるウィンドウ11面をジャック、作品の一部が見られる。
【イベントコンセプト】
普段何気なく歩いている散歩道、道端でよく見られるような植物の中には、多くの外来種が存在しています。 中でも人為的な手段で運ばれて野生化した帰化植物と呼ばれる移入種は、日本全土に1200種ほど存在していて、伊勢丹新宿店の屋上を歩いてみても、たくさんの帰化植物に出会えました。適応力の高い植物は、畑地、 樹園地、牧草地、芝地、路傍、荒地など、日本全国に分布しているようです。
少し前に、日本の沖合から流された海洋生物が、何年もかけてアメリカ西海岸に辿り着いていることを、米 オレゴン大学などの研究チームが明らかにしていました。『サイエンス』に発表された論文によると、貝類やイソギンチャク、カニなどの生物種が、東日本大震災の津波で発生した大量の漂流物にのって、アメリカ大陸にまで到達したというのです。漂着物から見つかった生物は分かっているだけでも300種近く。これは 漂流物のなかで生物が共生する生態系が生まれ、少なくとも3回の世代交代を経験して生息し続けたことを意味します。
「Naturalized Species」と銘打った今回の展示では、帰化植物を中心に、様々な因果関係によって日本に自生した生物をモティーフに選んでいます。長い時間をかけ、新しい土地に定着する様を紐解いていくことは、あるいはパンデミック以降の現代社会に向き合う上で大きなヒントを与えてくれるかもしれません。
【アーティストプロフィール】
Nerhol(ネルホル)
田中義久と飯田竜太の二人からなるアーティストデュオ。それぞれの活動を展開していた二人は、現代においていかにして問題を提起し、人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年より Nerholを結成。書物やそこに記された文字、世界に存在する図像の定型を異化する探究に始まり、2011 年、数分間かけて200カット以上撮影したポートレートを束ねて彫刻することで生み出される歪んだ人物像 の立体作品《Misunderstanding Focus》を発表し、大きな注目を集める。その後、国内外の美術館やギ ャラリーの展覧会への参加を重ね、街路樹、動物、水、ネット空間にアップされた画像データや記録映像等、 様々なモチーフを選びながら、それらが孕む時間軸をも歪ませるような作品を制作。
一貫して、日常の中で見落としがちな有機物が孕む多層的な存在態を解き明かすことを試みている。
近年では、物理学者や生態学者との対話から自作の姿や制作行為を顧みることで、作品がもつ各要素を開放し、あらたな作品形態へと展開させている。
会期:2022年4月6日(水)〜2022年5月6日(金)
場所:伊勢丹新宿店本館2階=イセタン ザ・スペース
【関連リンク】
https://www.mistore.jp/store/shinjuku/shops/women/the_space/shopnews_list/shopnews016.html
出展者 | Nerhol |
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会期 | 2022年4月6日(水)〜2022年5月6日(金) |
会場名 | イセタン ザ・スペース |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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