本書『インタビュー 日本の現代写真を語る:全日本学生写真連盟/自主運営ギャラリー・プリズム/つくば写真美術館/『日本写真全集』/東京都写真美術館』は、写真史家であり写真集コレクターの金子隆一と、日本の写真表現を支えた人々の口述記録である。
金子隆一の歩んだ後には写真史(家)という道ができた。彼のライフヒストリーのすべては、日本の現代写真を拓いた。写真を生き、写真で思考する。写真を撮ること以外のすべて。写真はカウンターからメインストリームへ。現代写真をダイジェスト回想する。日本における1970〜2000年代写真表現の歴史を紐解く。すべての人が写真について考える時代がきたといえるだろう。
■目次
1 全日本学生写真連盟と、写真に関わる生き方(金子隆一)
2 自主運営ギャラリー・プリズム(金子隆一)
ANOTHER VIEW 1 写真の視覚の回路と、写真で思考し続けること(築地仁)
3 つくば写真美術館が残したもの(金子隆一)
ANOTHER VIEW 2 コマーシャル・ギャラリーにおける写真の展示と保存への模索(山崎信)
4 『日本写真全集』と美術館オープン前夜(金子隆一)
ANOTHER VIEW 3 写真を通して、さまざまな視覚経験をしてきた(飯沢耕太郎)
5 東京都写真美術館Ⅰ 異色の学芸員(金子隆一)
ANOTHER VIEW 4 金子隆一さんと東京都写真美術館のコレクション(岡塚章子)
6 東京都写真美術館Ⅱ 写真の保存について(金子隆一)
ANOTHER VIEW 5 日本の気候風土に適った写真の保存環境を目指して(荒井宏子)
ANOTHER VIEW 6 東京都写真美術館における写真の保存について(山口孝子)
7 東京都写真美術館Ⅲ 存在感のある美術館へ(金子隆一)
ANOTHER VIEW 7 近代と現代をつなぐ写真(石田克哉)
あとがき 金子隆一さんとの日々(飯沢耕太郎)
■プロフィール
金子隆一(かねこ りゅういち)
写真史家、写真集コレクター。東京都写真美術館専門調査員、東京綜合写真専門学校理事長、武蔵野美術大学非常勤講師などを歴任。国内外の美術館、ギャラリーでも展覧会のキュレーションを多数手がけた。主な著者に『日本近代写真の成立』([共著]青弓社)、『インディペンデント・フォトグラファーズ・イン・ジャパン』([共著]東京書籍)『植田正治 私の写真作法』(ブリタニカ)、『定本 木村伊兵衛』(朝日新聞社)、『日本写真集史』(赤々舎)、『日本は写真集の国である』(梓出版社)ほか。
飯沢耕太郎(いいざわ・こうたろう)
写真評論家。筑波大学大学院芸術学研究科修了。主な著書に『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書)『私写真論』(筑摩書房)、『デジグラフィ』(中央公論新社)『写真を愉しむ』(岩波新書)、『増補 戦後写真史ノート』(岩波現代文庫)、『アフターマス――震災後の写真』([共著]、出版)、『キーワードで読む現代日本写真』(フィルムアート社)ほか
- 金子隆一(著)、飯沢耕太郎(編著)
- 『インタビュー 日本の現代写真を語る:全日本学生写真連盟/自主運営ギャラリー・プリズム/つくば写真美術館/『日本写真全集』/東京都写真美術館』
- 発行:梓出版社
- 発行日:2023年12月25日
- 仕様:四六判(188mm×128mm)、365g、344ページ
- 定価:2,700円(税別)
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