篠田 優「Fragments of the place 2017-2019」©You Shinoda
東京新宿のphotographersʼ galleryで篠田 優「Fragments of the place 2017-2019」が開催される。
本展覧会「Fragments of the place 2017-2019」を構成する写真は長野県信濃美術館を被写体としている。篠田は2017年に開催された同館のクロージング展「長野県信濃美術館クロージング ネオヴィジョン 新たな広がり」に招聘されてから、2019年に同建築が解体されるその時まで撮影を続けた。
長野県信濃美術館は1966年に開館して以来、特徴的なファサードを持つ美術館として、善光寺の至近に建つその立地も相まって、人々に長く親しまれてきた。そうした場所の終わりに際して篠田がレンズを向けたのは、建物の細部や周囲の環境――たとえば渡り廊下を支える柱や廊下に置かれたソファー、外壁におちる木々の影――だった。それらは美術館を長年にわたって支えながらも、その解体に際しては特に注目されることがなかったといっても過言ではない。そうしたものたちの姿を可能な限り覚えておくために写真を撮ったのだと、篠田は言葉にしている。解体を経たのちも残り続けるそれらのイメージは、ある時のある場所において確かに存在していたものたちとの、篠田にとっては何ものにも代えがたい、交感の記録なのだ。
それほど多くの枚数を撮影したわけではない。むしろ、少ないともいえるだろう。しかし、その一枚一枚はわたしにとって賜物である。もし美術館の歴史が公的なかたちで記されるとしても、わたしが撮影したようなものたちは、そこに場所を得ないかもしれない。たとえ記されるとしても、おそらくそこは欄外や余白においてであろう。撮影をしながら思った、わたしもまたのそのようにして在るのだろうと。そうしたものたちの姿がいまここに残されている。私は写真にそれ以上のなにかを望みはしない。
篠田優
■展覧会情報
篠田 優「Fragments of the place 2017-2019」
会期:2024年3月29日(金)~4月7日(日)
時間:12:00〜20:00
休廊日:会期中無休
会場:photographersʼ gallery
住所:東京都新宿区新宿2-16-11-401 サンフタミビル4F
【関連リンク】
https://pg-web.net/exhibition/yu-shinoda-fotp20172019/
出展者 | 篠田 優 |
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会期 | 2024年3月29日(金)~4月7日(日) |
会場名 | photographers’gallery |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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