2024年1月にRoonee 247 fine artsで行った展示にあわせて『距離感 東京 2022-2023』を出版した初沙和亜利。タイトルにあるとおり、2022年から2023年にかけての東京を撮影した作品集となっている。つまりコロナ禍による規制が緩和されてきた時期の東京であり、その時代を背景とした街の記録となっている。
以下に展示の際に寄稿された作者のテキストを転載する。
- 写真集「東京2020、2021、」を出版した後も、変わらずカメラを持ち歩いた。
コロナ後、という時間や空間はない。肩肘張らずに気の向くままにシャッターを切った。
それでも少しずつ世界は動いていく。平凡な日常の積み重ねこそが歴史だ。
イラク、北朝鮮、被災地東北、沖縄とテーマを決め、年月を区切り作品化した20年だったが「ただ撮る」という写真を展示するのは久しぶりだ。
2023年に入り、ミラーレス一眼とズームレンズからGRⅢに日常のカメラを換えた。学生の頃GR1を使い倒したが、久しぶりの28mmにしばらくは戸惑った。
水平を保ち、一点通し図法の構図に馴染んだ今、初心に帰る感覚を味わった。
OK写真の質を変えざるを得ず、完璧な構図を捨て、余白を余韻に置き換えた。ジャーナリズムでもアートでもなく、写真本来の姿を再確認した。- Roonee 247 fine artsウェブサイトより
【関連リンク】
https://www.roonee.jp/exhibition/room1-2/20231226215801
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